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2021/01/15 13:42

香港前場:ハンセン0.1ポイント高で小幅続伸、上海総合は0.5%下落 無料記事

 15日前場の香港マーケットはもみ合い。主要52銘柄で構成されるハンセン指数が前日比0.12ポイント(0.00%)高の28496.98ポイントと小幅ながら続伸する半面、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)は11.90ポイント(0.11%)安の11287.27ポイントと反落した。半日の売買代金は1408億2200万香港ドルとなっている(14日の前場は1102億7400万香港ドル)。
 好悪材料が入り混じる中で一進一退する流れ。中国人民銀行(中央銀行)の資金供給は好感された。人民銀は朝方、中期貸出制度(MLF)を通じ、5000億人民元を市中に供給。春節(旧正月)の大型連休を2月11〜17日に控え、金融当局は資金流動性を高めるとの思惑が強まっている。一方、新型コロナウイルス感染の再拡大、米国の対中制裁強化などはネガティブ材料だ。米国防総省は14日、中国人民解放軍が所有、または支配していると見なされる中国企業のリストに小米集団(シャオミ・コーポレーション:1810/HK)など9社を追加。米国人による株式投資の禁止対象となる。さらに米商務省は同日、「エンティティリスト(輸出規制対象リスト)」に中国海洋石油集団(CNOOC)を追加すると発表。トランプ大統領は政権交代を目前に控え、対中圧力を強めている。(亜州リサーチ編集部)
 中国の金融株が相場を下支えした。中国郵政儲蓄銀行(1658/HK)が10.9%高、招商銀行(3968/HK)が5.6%高、中国建設銀行(939/HK)が2.5%高、中国工商銀行(1398/HK)が2.2%高、中国太平洋保険集団(2601/HK)が3.9%高、中国平安保険(2318/HK)が2.1%高で引けた(中国郵政儲蓄銀行と招商銀行、平安保険は最高値更新)。招商銀行は14日引け後に20年通期決算(速報)を報告。増益を確保したうえで、不良債権比率が1.16→1.07%に改善した。
 そのほか、香港交易所(香港証券取引所:388/HK)が0.3%高と続伸し、連日で上場来高値を更新。市場活性化で手数料収入などが増加するとの期待がある。対中圧力が強まる中、2021年も米上場の中国企業による香港株式市場への「回帰上場」が相次ぐ見通しだ。これまでの報道によると、インターネット検索最大手の百度(バイドゥ:BIDU/NASDAQ)、動画共有サイトのビリビリ(BILI/NASDAQ)、旅行サイト大手の携程旅行網(トリップドットコム:TCOM/NASDAQ)、電子商取引(Eコマース)サイト「唯品会(VIP.com)」を運営する唯品会(VIPS/NYSE)や、動画配信サービスの歓衆時代(YY/NASDAQ)、騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)傘下の騰訊音楽娯楽集団(テンセント・ミュージック・エンターテインメント・グループ:TME/NYSE)などが香港マーケットに年内重複上場する見込みという。
 半面、上述したスマートフォン中国大手の小米は10.9%安。同社株はハンセン指数と本土株指数などに採用されていることもあり、全体相場を重くする一因となった。
 自動車セクターも安い。東風汽車集団(489/HK)が6.6%、長城汽車(2333/HK)が6.2%、吉利汽車HD(175/HK)が6.1%、北京汽車(1958/HK)が4.4%、広州汽車集団(2238/HK)が3.1%ずつ下落した。
 空運・海運セクターもさえない。中国国際航空(753/HK)が3.7%安、中国東方航空(670/HK)が3.0%安、中国南方航空(1055/HK)が1.8%安、中遠海運HD(1919/HK)が5.9%安、太平洋航運集団(2343/HK)が3.8%安、中遠海運能源運輸(1138/HK)が3.1%安と値を下げた。
 一方、本土マーケットは3日続落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.53%安の3546.96ポイントで前場の取引を終了した。食品飲料株が安い。自動車株、ハイテク株、防衛関連株、インフラ関連株、医薬品株、海運株、素材株なども売られた。半面、金融株は高い。エネルギー株、不動産株、公益株も買われた。

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