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2021/03/17 13:38

香港前場:ハンセン0.1%安で3日ぶり反落、上海総合は0.3%下落 無料記事

 17日前場の香港マーケットは、主要55銘柄で構成されるハンセン指数が前日比27.51ポイント(0.09%)安の29000.18ポイントと3日ぶりに反落する一方、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)は16.91ポイント(0.15%)高の11346.34ポイントと続伸した。半日の売買代金は819億6800万香港ドルとなっている(16日の前場は828億7900万香港ドル)。
 重要イベントを前に様子見ムードが広がった。米中の外交トップは18日、米アラスカ州で直接会談する。それに先がけ米政府高官は16日、ウイグルの人権問題や台湾海峡の威嚇行動などに対する懸念を伝えると説明した。また、米連邦準備制度理事会(FRB)は17日(日本時間18日未明)、米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果を発表し、その後、パウエルFRB議長が会見する。そのほか、香港指標の悪化も逆風。香港政府が16日発表した2020年12月〜21年2月期の失業率は7.2%となり、前期改定値(20年11〜21年1月期の7.0%)、予想(7.1%)を超えて上昇した(約17年ぶりの高水準)。
 もっとも、下値は限定的。中国景気の先行き楽観が相場を支えている。UBSは最新リポートで、2021年中国GDP成長率見通しを従来想定の「8.2%」から「9.0%」に上方修正した。先ごろ閉幕した全国人民代表大会(全人代、国会に相当)の「政府活動報告」では、21年のGDP成長率目標を「6%以上」に設定している。ハンセン指数はプラス圏で推移する場面もあった。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、豚肉生産で世界トップの万洲国際(WHグループ:288/HK)が3.0%安、石油・化学大手の中国石油化工(サイノペック:386/HK)が2.9%安、医療サービス企業の阿里健康信息技術(アリババ・ヘルス・インフォメーション・テクノロジー:241/HK)が2.7%安と下げが目立った。
 セクター別では、非鉄や鉄鋼、セメントなど素材が安い。中国アルミ(2600/HK)が5.2%、江西銅業(358/HK)が2.7%、新疆新キン鉱業(3833/HK)が1.9%、鞍鋼(347/HK)が3.0%、馬鞍山鋼鉄(323/HK)が2.4%、北京金隅集団(BBMG:2009/HK)が1.7%、中国西部水泥(西部セメント:2233/HK)が1.5%ずつ下落した。商品市況安が重荷。この日の上海期貨交易所(上海商品先物取引所)では、銅やアルミ、鉄筋など主要な商品先物が軒並み下落している。
 太陽光などエコ発電関連セクターもさえない。新特能源(シンター・エナジー:1799/HK)が9.5%安、保利協キン能源HD(GCLポリー・エナジー:3800/HK)が2.8%安、陽光能源HD(757/HK)が2.5%安、中国水発興業能源集団(旧社名・中国興業太陽能技術HD:750/HK)が2.4%安、信義光能HD(968/HK)が1.8%安で前場取引を終えた。
 半面、中国不動産セクターはしっかり。合景泰富地産HD(1813/HK)が3.8%高、世茂集団HD(813/HK)が3.5%高、華潤置地(1109/HK)が2.1%高、越秀地産(123/HK)が1.1%高で引けた。広州市政府系の越秀地産が報告した通期決算では、純利益が22%増加し、期末配当が増額されている。同社の株価は約23年ぶりの高値水準を回復した。
 一方、本土マーケットは反落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.31%安の3435.96ポイントで取引を終了した。銀行・保険株が下げを主導する。素材株、エネルギー株、公益株、不動産株、インフラ関連株の一角なども売られた。半面、ハイテク株は高い。消費関連株、医薬品株、防衛関連株も買われた。


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