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2021/03/08 13:33

香港前場:ハンセン1.3%安で3日続落、上海総合は1.0%下落 無料記事

 週明け8日の香港マーケットは値下がり。主要52銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比389.36ポイント(1.34%)安の28708.93ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が137.32ポイント(1.22%)安の11154.90ポイントとそろって3日続落した。ITやハイテクなど「ニューエコノミー」関連で構成されるハンセン科技指数は4.78%安。年初来安値を更新した。半日の売買代金は1422億2300万香港ドルとなっている(5日の前場は1414億100万香港ドル)。
 金利高が不安視される流れ。経済活動の正常化を背景に、米10年債利回りは高止まりしている。中国や主要国でも金利は上昇しつつある状況だ。中国で昼前に公表された人民元建て上海銀行間取引金利(SHIBOR)に関しては、翌日物などが再び上昇している。通貨安もマイナス。中国人民銀行(中央銀行)は朝方、人民元レートの対米ドル基準値を元高(=ドル安)方向に設定したものの、上海外国為替市場では元安が進み、今年1月4日の水準に達している。米国の雇用統計や中国の貿易統計が上振れたことを手がかりに買いが先行したものの、高PERのグロース株(成長株)売りに歯止めがかからず、香港の各指数は中盤から下げに転じた。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、バイオ医薬品開発受託会社の薬明生物技術(ウーシー・バイオロジクス:2269/HK)が8.8%安、民間自動車メーカーの吉利汽車HD(175/HK)が7.0%安、飲食ポータルサイトの美団(メイトゥアン:3690/HK)が6.6%安と下げが目立った。
 ハンセン科技指数の組み入れウエート上位の銘柄では、上記した美団のほか、小米集団(シャオミ・コーポレーション:1810/HK)が5.3%安、快手科技(クアイショウ・テクノロジー:1024/HK)が4.6%安、騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)が3.6%安で前場取引を終えている。今年2月に上場したショート動画投稿アプリ「快手(クアイショウ)」の快手科技は、上場来安値を切り下げた。
 セクター別では、自動車が安い。前記した吉利汽車のほか、長城汽車(2333/HK)が8.6%、比亜迪(BYD:1211/HK)が6.5%、広州汽車集団(2238/HK)が2.0%、華晨中国汽車HD(1114/HK)が1.6%ずつ下落した。
 海上輸送やコンテナリース・生産、空運の運輸セクターもさえない。中遠海運HD(1919/HK)が11.1%安、東方海外(316/HK)が2.9%安、太平洋航運集団(2343/HK)が2.4%安、中国国際海運集装箱(中国国際コンテナ:2039/HK)が4.7%安、中遠海運発展(2866/HK)が4.0%安、中国南方航空(1055/HK)が3.0%安、中国東方航空(670/HK)が2.2%安、中国国際航空(753/HK)が1.9%安で引けた。
 半面、石油生産・化学工業や天然ガス、石炭などエネルギー関連は高い。中国石油天然気(ペトロチャイナ:857/HK)が5.5%、中国海洋石油(CNOOC:883/HK)が1.3%、中国石油化工(サイノペック:386/HK)が3.2%、昆侖能源(クンルン・エナジー:135/HK)が2.5%、華潤燃気HD(華潤ガス:1193/HK)が2.2%、中国中煤能源(1898/HK)が2.8%、エン州煤業(1171/HK)が2.2%ずつ上昇した。原油高が追い風。先週末のWTI原油先物は3.5%高と大幅続伸し、一時は約2年ぶりの高値を付けた。日本時間8日、時間外取引でも続伸している。サウジアラビアは7日、自国の石油施設が攻撃されたと発表した。 中国金融セクターの一角もしっかり。中国農業銀行(1288/HK)が4.6%高、中国工商銀行(1398/HK)が2.9%高、中国建設銀行(939/HK)が1.5%高、中国平安保険(2318/HK)が1.7%高、中国人寿保険(2628/HK)が1.3%高と値を上げた。最大手行の工商銀は、昨年1月以来の高値水準を回復している。
 一方、本土マーケットは3日続落。主要指標の上海総合指数は、前日比1.01%安の3466.51ポイントで取引を終了した。食品飲料株が安い。自動車株、海運株、医薬品株、ハイテク株、インフラ関連株、不動産株、銀行株なども売られた。半面、エネルギー株は高い。保険株、娯楽関連株、公益株も買われた。



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