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2021/07/09 17:43

香港大引:ハンセン0.7%高で9日ぶり反発、ハイテク株買い戻し 無料記事

 9日の香港マーケットは、主要58銘柄で構成されるハンセン指数が前日比191.41ポイント(0.70%)高の27344.54ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が62.86ポイント(0.64%)高の9885.42ポイントとそろって9日ぶりに反発した。売買代金は1867億9400万香港ドルにやや縮小している(8日は2052億5900万香港ドル)。
 安寄り後に買われる流れ。前日のハンセン指数は8日続落し、昨年12月以来の安値水準に落ち込んでいたこともあり、値ごろ感が着目された。また、中国経済の回復ペース鈍化が警戒される中、当局は景気対策を強化するとの期待も広がっている。もっとも、上値は限定的。なお、朝方公表された今年6月の中国物価統計は、消費者物価指数(CPI)、生産者物価指数(PPI)ともに上昇ペースが減速した。感染力の強い新型コロナウイルス変異種(デルタ株)の世界的な広がりも懸念される。米ジョンズ・ホプキンス大学が7日公表した最新データによれば、世界の1日当たり感染者数は7日連続で前日水準を上回った。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、火鍋チェーン最大手の海底撈国際HD(ハイディラオ・インターナショナル・ホールディング:6862/HK)が10.2%高で値上がり率トップ。ほか足元で売り込まれていた小米集団(シャオミ・コーポレーション:1810/HK)、美団(メイトゥアン:3690/HK)、騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)などハイテク株にも買い戻しが入った。また、スポーツシューズ生産・販売の安踏体育用品(ANTAスポーツ・プロダクツ:2020/HK)が6.9%上昇。安踏は8日、今後5年間の戦略目標を発表し、年平均18〜25%の増収を目指す方針を明らかにしている。また、今年4〜6月期の実績では、各ブランドで売上高が大幅に増加した。
 セクター別では、自動車セクターが総じて堅調。長城汽車(2333/HK)が8.1%高、広州汽車集団(2238/HK)が5.8%高、東風汽車集団(489/HK)が1.6%高、中国重汽(サイノトラック:3808/HK)が2.2%高で引けた。うち長城汽車は8日引け後、今年6月の新車販売台数が前年同月比で22.7%増加したと報告。これまでに発表された同業他社の月次データをアウトパフォームする伸びとなっている。
 半面、不動産セクターはさえない。中国恒大集団(3333/HK)が1.6%安、龍湖集団HD(960/HK)が1.2%安、碧桂園HD(2007/HK)が0.5%安などとなった。恒大集団に関しては、中国当局が同社主席を呼び出し、早急に債務問題を解決するよう求めたと報じられている。多額の債務を抱える同社のリスクが業界全体に波及してしまう事態を警戒しているという。
 一方、本土マーケットは小幅に続落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.04%安の3524.09ポイントで取引を終了した。医薬品株、酒造株、家電株、金融株などが売られた。半面、資源・素材株、自動車株などが買われている。


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