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2021/09/30 17:40

香港大引:ハンセン0.4%安で4日ぶり反落、科技指数1.3%下落 無料記事

 30日の香港マーケットは、主要60銘柄で構成されるハンセン指数が前日比87.86ポイント(0.36%)安の24575.64ポイントと4日ぶり、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が34.06ポイント(0.39%)安の8726.38ポイントと3日ぶりにそれぞれ反落した。売買代金は1151億2310万香港ドルに減少している(29日は1235億2810万香港ドル)。
 中国製造業の先行き不透明感が嫌気される流れ。朝方公表された9月の中国製造業PMI(国家統計局などが集計)は49.6に低下し、景況判断の節目となる50を19カ月ぶりに割り込んだ。国内では電力需給のひっ迫を受けて、主要企業が操業停止や減産などを相次ぎ報告している。もっとも、下値を叩くような売りはみられない。同月の非製造業PMIは上振れし、財新製造業PMI(民間集計)は節目の50を回復した。過度な景気不安は薄らいでいる。(亜州リサーチ編集部)
 「ニューエコノミー」関連銘柄が下げを主導。ハンセン科技指数は1.3%安と他の主要指数をアンダーパフォームした。組み入れウエート上位の「ATMX」銘柄では、阿里巴巴集団HD(アリババ:9988/HK)が4.1%安、騰訊HD(テンセント:700/HK)が0.8%安、美団(メイトゥアン:3690/HK)が1.4%安、小米集団(シャオミ:1810/HK)が3.0%安と値を下げた。
 オンラインゲーム関連もさえない。上記したテンセントのほか、IGG(799/HK)が3.8%安、心動(XD:2400/HK)が3.2%安で引けた。9月もゲームの新規承認がゼロだったと判明。香港英字紙は29日、今回の審査停止はゲームコンテンツに対する当局の監督強化スタンスを反映したもので、規制はさらに強化される可能性があるなどと報じている。
 半導体セクターも安い。晶門半導体(ソロモン・システック:2878/HK)が4.1%、ASMパシフィック・テクノロジー(522/HK)が1.9%、中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)が1.8%ずつ下落した。
 半面、中国不動産セクターは総じて高い。広州富力地産(2777/HK)が17.3%、融創中国HD(1918/HK)が12.8%、中国金茂HD(817/HK)が7.3%、万科企業(2202/HK)が3.4%ずつ上昇した。産業支援の動きが期待される。中国人民銀行と中国銀行保険監督管理委員会などは29日夜に会合を開き、関連各部で不動産市場の安定化に取り組む方針を確認した。中国恒大集団(3333/HK)の巨額債務問題が念頭にある。資金繰り不安は、融創中国や広州富力地産などにも広がっていた。また、広州富力地産は29日引け後、大株主の李思廉氏、張力氏と共同出資会社を立ち上げると発表。新会社は不動産開発、不動産投資を手掛ける予定で、大株主と共同で事業展開することにより、流動資金や財務構造の改善を図ると説明した。
 石炭や天然ガス、非鉄、鉄鋼など資源・素材セクターもしっかり。中国中煤能源(1898/HK)が4.2%高、中国神華能源(1088/HK)が3.8%高、華潤燃気HD(華潤ガス:1193/HK)が2.6%高、中国燃気HD(中国ガス:384/HK)が2.5%高、新疆新キン鉱業(3833/HK)が3.4%高、洛陽モリブデン集団(3993/HK)が3.2%高、重慶鋼鉄(1053/HK)が4.0%高、鞍鋼(アンガン・スチール:347/HK)が3.2%高で取引を終えた。
 一方、本土マーケットは反発。主要指標の上海総合指数は、前日比0.90%高の3568.17ポイントで取引を終了した。ITハイテク関連株が高い。医薬品株、資源・素材株、消費関連株、公益株、不動産株、運輸株、インフラ関連株なども買われた。半面、銀行・保険株は売られている。
 香港・本土では、あすから国慶節連休(本土市場は10月1〜7日が休場、香港は1日のみ休場)がスタートする。


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