29日の香港マーケットは、主要58銘柄で構成されるハンセン指数が前日比841.44ポイント（3.30％）高の26315.32ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数（旧H株指数）が344.59ポイント（3.80％）高の9415.69ポイントとそろって続伸した。売買代金は2541億2160万香港ドルとなっている（28日は2813億580万香港ドル）。　
　内外の好材料で投資家心理が上向く流れ。米国では、緩和的な金融政策が当分続くと期待されている。昨夜の米連邦公開市場委員会（FOMC）では、現行のゼロ金利と量的緩和を維持する方針が予想通り決定された。会合後の記者会見でパウエル米連邦準備制度理事会（FRB）は、テーパリング（量的緩和の縮小）開始に向けた議論を進める可能性に言及したものの、利上げ検討は時期尚早だと強調している。内部的には、本土株市場の安定化期待が高まる状況。外電が消息筋情報として伝えたところによると、中国証券監督管理委員会は28日夜、大手投資銀行と電話で緊急会議した。教育産業に対する締め付け策を発端とした、規制強化の動きが広がるとの不安に対し、「他業界に悪影響を及ぼすことはない」とのメッセージを送ったとみられている。この日の本土市場では、主要株価指数が5日ぶりに反発した。(亜州リサーチ編集部)
　規制不安がひとまず薄らいだネット株が急伸。ハンセン科技指数は8.0％高と大幅続伸した。主要な構成銘柄では、騰訊HD（テンセント・ホールディングス：700/HK）が10.0％高、美団（メイトゥアン：3690/HK）が9.5％高、阿里巴巴集団HD（アリババ・グループ・ホールディング：9988/HK）が7.7％高と買われている。
　自動車セクターも高い。長城汽車（2333/HK）が10.8％、比亜迪（BYD：1211/HK）が9.5％、東風汽車集団（489/HK）が9.0％、吉利汽車HD（175/HK）が7.6％、広州汽車集団（2238/HK）が6.5％ずつ上昇した。東風汽車は28日引け後、6月中間期の利益が2.3倍に拡大するとの見通しを発表。セクター全体の追い風となった。
　医薬品セクターも上げが目立つ。百済神州（ベイジーン：6160/HK）が12.9％高、上海復星医薬集団（2196/HK）が10.7％高、康希諾生物（カンシノ・バイオロジクス：6185/HK）が6.6％高、石薬集団（CSPCファーマシューティカル・グループ：1093/HK）が5.7％高、薬明生物技術（ウーシー・バイオロジクス：2269/HK）が4.6％高で引けた。
　非鉄セクターも物色される。洛陽モリブデン集団（3993/HK）が8.8％高、江西カン鋒リ業（ガンフェン・リチウム：1772/HK）が8.5％高、新疆新キン鉱業（3833/HK）が7.2％高、中国アルミ（チャルコ：2600/HK）が5.5％高、江西銅業（358/HK）が2.9％高で取引を終えた。
　一方、本土マーケットは5日ぶりに反発。主要指標の上海総合指数は、前日比1.49％高の3411.72ポイントで取引を終了した。ハイテク株が高い。自動車株、素材株、医薬品株、エネルギー株、不動産株、インフラ関連株、防衛関連株なども買われた。半面、金融株は安い。商品飲料株、公益株、運輸株も売られた。




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