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2021/07/12 17:44

香港大引:ハンセン0.6%高で続伸、BYDが7.8%上昇 無料記事

 週明け12日の香港マーケットは、主要58銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比170.70ポイント(0.62%)高の27515.24ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が60.31ポイント(0.61%)高の9945.73ポイントとそろって続伸した。売買代金は1546億1600万香港ドルに縮小している(9日は1867億9400万香港ドル)。
 内外環境の改善で投資家心理が上向く流れ。先週末の主要な米国株価指数がそろって史上最高値を更新したことが好感された。内部的には、金融当局の緩和スタンスがプラス。中国人民銀行(中央銀行)は9日、市中銀行の預金準備率を0.5%引き下げると発表した。一部の小型銀行を除くほぼすべての金融機関を対象とする。今回の準備率引き下げによる資金供給効果は約1兆人民元(約17兆円)に達する見通し。引き下げ自体は一部で予想されていたが、対象と規模が事前予想を超えた。また、同日公表の指標上振れも好材料。6月の金融統計では、国内金融機関の新規融資が予想以上に前月実績から拡大し、マネーサプライ(通貨供給量)M2の伸び率も予想を上回った。もっとも、上値を買い進む動きはみられない。経済回復ペースの鈍化懸念が根強いほか、米中関係の悪化が不安視されている。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、火鍋チェーン最大手の海底撈国際HD(ハイディラオ・インターナショナル・ホールディング:6862/HK)が8.8%高、充電池・自動車メーカーの比亜迪(BYD:1211/HK)が7.8%高、医療サービス企業の阿里健康信息技術(アリババ・ヘルス・インフォメーション・テクノロジー:241/HK)が3.4%高と上げが目立った。BYDについては、今年6月の新エネルギー車(NEV)販売台数が過去最多を記録したことも支援材料となっている。
 セクター別では、中国の不動産が高い。首創置業(北京キャピタル・ランド:2868/HK)が45.9%、中国金茂HD(817/HK)が3.2%、華潤置地(1109/HK)が2.3%、合景泰富地産HD(1813/HK)が2.0%、碧桂園HD(2007/HK)が1.6%、広州富力地産(2777/HK)が1.5%ずつ上昇した。取引再開した首創置業に関しては、筆頭株主の首創集団から私有化(TOBによる完全子会社化)提案を受けたことが刺激材料。1株当たりのTOB価格は2.80香港ドルに設定されている(本日の終値は2.51香港ドル)。
 半導体セクターも急伸。上海復旦微電子集団(1385/HK)が12.8%高、華虹半導体(1347/HK)が6.6%高、ASMパシフィック・テクノロジー(522/HK)が3.1%高、中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)が2.3%高と値を上げた。上海復旦微電子集団株は上場来高値を更新している。
 他の個別株動向では、通信機器・設備メーカー大手の中興通訊(ZTE:763/HK)が13.5%高。同社は9日引け後、6月中間期の純利益が倍増するとの見通しを明らかにした。その他にも大幅増益見通しを明らかにした銘柄群が物色され、プリント配線基板(PCB)材料メーカーの建滔集団(キングボード・ホールディングス:148/HK)が6.3%高、銅生産で中国最大手の江西銅業(358/HK)が3.2%高で取引を終えている。
 半面、光学部品メーカーの舜宇光学科技(2382/HK)は2.3%安とさえない。同社は9日引け後、今年6月の営業実績を発表し、スマートフォン用レンズの出荷数が前年同月比27.1%減の8581万6000個に低迷したと報告した。
 一方、本土マーケットは3日ぶりに反発。主要指標の上海総合指数は、前営業日比0.67%高の3547.84ポイントで取引を終了した。素材株が高い。ITハイテク関連株、自動車株、医薬品株、インフラ関連株、海運株、証券株なども買われた。半面、不動産株の一角は安い。銀行・保険株、公益株、酒造株、エネルギー株も小安く推移した。




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