25日前場の香港マーケットは、主要58銘柄で構成されるハンセン指数が前日比327.85ポイント（1.14％）高の29210.31ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数（旧H株指数）が168.70ポイント（1.58％）高の10846.01ポイントとそろって3日続伸した。半日の売買代金は777億5700万香港ドルとなっている（24日前場は757億5500万香港ドル）。
　内外環境の改善で投資家心理が上向く流れ。バイデン米大統領は24日、上院の超党派グループとインフラ投資計画（総額5590億米ドル規模）で合意したと述べた。米株市場では、ハイテク株比率の大きいナスダック指数と機関投資家がベンチマークとして重要視するS&P500指数がそれぞれ史上最高値を更新している。内部的には、中国人民銀行（中央銀行）の資金供給継続がプラス材料。人民銀は朝方、リバースレポ取引を通じ、前日と同様に300億人民元の資金を市場に供給した。期日到来分との差引では200億人民元の供給超。このところの金融操作では、毎日の供給が100億人民元にとどまっていた。(亜州リサーチ編集部)
　ハンセン指数の構成銘柄では、ビールメーカー大手の百威亜太HD（バドワイザーAPAC：1876/HK）が4.7％高、飲食ポータルサイトの美団（メイトゥアン：3690/HK）が3.9％高、電動工具メーカー大手の創科実業（テクトロニック・インダストリーズ：669/HK）と取引所運営の香港交易所（香港証券取引所：388/HK）がそろって2.7％高と上げが目立った。
　「ニューエコノミー」関連銘柄もしっかり。ITやハイテクなどで構成されるハンセン科技指数は2.2％高と続伸し、今月初旬の高値水準を回復している。主要な構成銘柄では、上記した美団のほか、快手科技（クアイショウ・テクノロジー：1024/HK）が7.1％高、百度集団（バイドゥ：9888/HK）が3.5％高、阿里巴巴集団HD（アリババ・グループ・ホールディング：9988/HK）が2.2％高、騰訊HD（テンセント・ホールディングス：700/HK）が1.8％高と値を上げている。
　非鉄セクターも高い。中国アルミ（チャルコ：2600/HK）が5.7％、新疆新キン鉱業（3833/HK）が5.4％、洛陽モリブデン集団（3993/HK）が4.7％、江西銅業（358/HK）が4.2％ずつ上昇した。
　農業関連セクターも物色される。野菜・果樹栽培業者の中国緑色食品HD（904/HK）が13.3％高、肥料販売中国最大手の中化化肥HD（サイノフェルト：297/HK）が3.5％高、窒素系肥料メーカーの中海石油化学（3983/HK）が2.6％高で前場取引を終えた。
　他の個別株動向では、不動産デベロッパーの首創置業（北京キャピタル・ランド：2868/HK）が59.6％高と急騰。同社は25日、子会社が合弁会社を設立し、北京市の開発プロジェクトを手がけると発表した。
　一方、本土マーケットは5日続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.79％高の3594.80ポイントで取引を終了した。金融株が相場をけん引する。資源・素材株、医薬品株、食品飲料株、半導体株、海運株、防衛関連株なども買われた。半面、自動車株は安い。公益株も売られた。


内容についてのお問い合わせは＜info@ashuir.com＞まで。