6日前場の香港マーケットは、主要58銘柄で構成されるハンセン指数が前日比163.27ポイント（0.58％）安の27980.23ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数（旧H株指数）が41.27ポイント（0.40％）安の10232.91ポイントとそろって6日続落した。半日の売買代金は764億6000万香港ドルとなっている（5日の前場は885億1500万香港ドル）。
　相場を動かす新規材料に乏しい中、一部セクターが急落し、投資家心理が悪化する流れ。医薬品開発を巡り、中国当局が指導強化したことを嫌気した。中国ではこのところ、ネット企業に対する締め付けも強められている。中国経済回復の鈍化も引き続き売り材料視。前日公表された6月の財新・非製造業PMI（民間集計）は50.3となり、市場予想（54.9）や前月実績（55.1）に届かなかった。2020年4月以来の低水準となっている。前週に官民で公表された同月の製造業PMIに関しても、それぞれ前月実績を下回った。(亜州リサーチ編集部)
　ハンセン指数の構成銘柄では、医薬・医療関連が安い。バイオ医薬品の開発受託会社、薬明生物技術（ウーシー・バイオロジクス：2269/HK）が12.6％、医療サービス企業の阿里健康信息技術（アリババ・ヘルス・インフォメーション・テクノロジー：241/HK）が5.9％、医薬品メーカーの石薬集団（1093/HK）が5.7％ずつ下落した。
　デベロッパーや不動産管理サービスの銘柄群も下げが目立つ。首創置業（2868/HK）が2.3％安、中国恒大集団（3333/HK）が1.8％安、世茂服務HD（873/HK）が6.2％安、保利物業発展（6049/HK）が2.8％安、融創服務HD（1516/HK）が1.8％安で引けた。
　食品飲料や酒造の銘柄群もさえない。中国雨潤食品集団（1068/HK）が4.2％安、中国蒙牛乳業（2319/HK）が2.3％安、農夫山泉（ノンフー・スプリング：9633/HK）が1.3％安、青島ビール（168/HK）が4.1％安、華潤ビールHD（291/HK）が2.8％安と値を下げた。
　半面、農業関連セクターは物色される。窒素系肥料メーカーの中海石油化学（チャイナ・ブルーケミカル：3983/HK）が11.1％高、肥料販売中国最大手の中化化肥HD（サイノフェルト：297/HK）が7.0％高、アグリビジネスの超大現代農業（682/HK）が4.0％高、野菜・果樹栽培業者の中国緑色食品HD（904/HK）が3.6％高、農機メーカー中国大手の第一トラクター（ファースト・トラクター：38/HK）が0.9％高で前場取引を終えた。
　一方、本土マーケットは反落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.53％安の3515.65ポイントで前場の取引を終了した。医薬品株が安い。食品飲料株、ハイテク株、銀行株なども売られた。半面、不動産株は高い。資源・素材株、保険・証券株、自動車株も買われた。



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