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2021/06/11 13:29

香港前場:ハンセン0.4%高で8日ぶり反発、上海総合は0.3%下落 無料記事

 11日前場の香港マーケットは、主要58銘柄で構成されるハンセン指数が前日比112.12ポイント(0.39%)高の28851.00ポイントと8日ぶりに反発し、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が13.45ポイント(0.13%)高の10729.73ポイントと続伸した。半日の売買代金は682億7700万香港ドルとなっている(10日前場は699億2100万香港ドル)。
 内外の好材料で投資家心理が上向く流れ。中国では10日引け後に中国人民銀行(中央銀行)が5月の金融統計を発表し、国内金融機関の新規融資が予想以上に前月実績から拡大し、マネーサプライ(通貨供給量)M2の伸び率も予想を上回ったことを明らかにしている。米国では、米連邦準備制度理事会(FRB)がテーパリング(量的緩和の縮小)を早めるとの警戒感が後退した。5月の米消費者物価指数(CPI)は上振れたものの、FRB幹部は「インフレ高進は一過性」との認識を強調している。米10年債利回りは、今年3月初めの水準に急低下した。ただ、様子見ムードが漂う中で上値は重い。中国・香港は週明け14日、端午節でマーケットが休場となる。また16日には中国の5月経済統計(小売売上高や鉱工業生産など)が発表される予定だ。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、太陽光発電向けガラス基板メーカーの信義光能HD(シンイ・ソーラー・ホールディングス:968/HK)が4.5%高、石油グループ大手の中国石油天然気(ペトロチャイナ:857/HK)が4.1%高、石油・化学大手の中国石油化工(サイノペック:386/HK)が2.7%高、飲食ポータルサイトの美団(メイトゥアン:3690/HK)が2.6%高と上げが目立った。
 セクター別では、石油や天然ガスのエネルギー関連が高い。上記したペトロチャイナやサイノペックのほか、中国海洋石油(CNOOC:883/HK)が2.3%、新奥能源HD(ENNエナジー:2688/HK)が3.0%、昆侖能源(クンルン・エナジー:135/HK)が1.8%ずつ上昇した。昨夜のWTI原油先物はは0.5%高と反発し、一時2018年10月以来の高値を付けている。世界的に経済活動の正常化が進む中、石油需要も回復すると楽観された。
 医薬品セクターもしっかり。康希諾生物(カンシノ・バイオロジクス:6185/HK)が6.2%高、上海復星医薬集団(2196/HK)が2.2%高、百済神州(ベイジーン:6160/HK)が2.1%高、石薬集団(1093/HK)が1.3%高、緑葉製薬集団(2186/HK)が1.1%高で引けた。
 半面、中国金融セクターはさえない。中国太平洋保険集団(2601/HK)が2.9%、中国人民保険集団(人保集団:1339/HK)が1.4%、招商銀行(3968/HK)が1.2%、中国郵政儲蓄銀行(1658/HK)が0.9%、国聯証券(1456/HK)が1.3%、中信建投証券(CSCフィナンシャル:6066/HK)が1.0%ずつ下落した。
 一方、本土マーケットは3日ぶりに反落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.25%安の3601.82ポイントで前場取引を終了した。食品飲料株が安い。金融株、医薬品株、インフラ関連株、防衛関連株、不動産株の一角なども売られた。半面、エネルギー株は高い。半導体株、自動車株、海運株、公益株も買われた。



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