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2022/09/05 13:28

香港前場:ハンセン1.3%安で3日続落、上海総合は0.1%上昇 無料記事

 週明け5日前場の香港マーケットは、主要73銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比248.85ポイント(1.28%)安の19203.24ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が98.38ポイント(1.47%)安の6574.04ポイントとそろって3日続落した。売買代金は598億7410万香港ドルとなっている(2日前場は440億1450万香港ドル)。
 内外の懸念材料が投資家心理を冷やす流れ。欧州のエネルギー危機、米国の引き締め継続、中国の行動抑制強化――など悪材料が重なっている。うち、欧州のエネルギー問題を巡っては、ロシア国営エネルギー企業のガスプロムが2日、欧州に天然ガスを送る主要なパイプライン「ノルドストリーム1」について、新たな不具合が見つかったとして、3日に予定していた稼働再開を無期限に延期すると発表した。また、中国では新型コロナウイルス感染を抑制するため、各地で行動制限が実施されている。経済活動停滞の長期化が危ぐされた。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、民間自動車メーカーの吉利汽車HD(175/HK)が4.8%安、電池・自動車メーカーの比亜迪(BYD:1211/HK)が4.7%安、バイオ医薬品開発受託会社の薬明生物技術(2269/HK)が4.3%安と下げが目立っている。BYDについては、米著名投資家ウォーレン・バフェット氏が率いる投資会社バークシャー・ハサウェイ(BRK/NYSE)が今月1日、保有するBYD株の一部を追加売却したことが嫌気されている。
 本日付で4銘柄がハンセン指数に組み入れられた。新規採用銘柄の値動きは、中国神華能源(1088/HK)が4.4%高、周大福珠宝集団(1929/HK)が0.3%高、翰森製薬集団(3692/HK)が3.4%安、百度集団(9888/HK)が1.9%安となっている。
 「ニューエコノミー」関連銘柄も急落。ハンセン科技(テック)指数は2.0%安と他の指数をアンダーパフォームした(構成銘柄30のうち下落26)。個別では、新興EV(電気自動車)メーカーの蔚来集団(9866/HK)が6.0%安、小型電子部品メーカー大手の瑞声科技HD(2018/HK)が4.8%安、動画配信プラットフォーム中国大手のビリビリ(9626/HK)が4.6%安と値を下げている。
 レストランチェーンや酒造などコロナ防疫措置強化が逆風となる飲食関連もさえない。海倫司国際HD(9869/HK)が8.6%安、奈雪的茶HD(2150/HK)が3.5%安、青島ビール(168/HK)が3.8%安、百威亜太HD(1876/HK)が2.9%安で引けた。このほか、同様の理由でカジノ株や空運株も売られている。
 半面、石炭や石油生産・掘削などエネルギー関連は高い。上記した中国神華能源のほか、エン鉱能源集団(1171/HK)が8.9%、中国中煤能源(1898/HK)が7.0%、中国石油天然気(857/HK)が2.5%、中国海洋石油(883/HK)が1.9%、中海油田服務(2883/HK)が4.0%ずつ上昇した。
 他の個別株動向では、バイオ医薬品ベンチャーの康希諾生物(6185/HK)が9.6%高。同社は4日、自主開発した「吸入型コロナワクチン」が中国当局の緊急使用許可を取得したと報告した。政府部門の調達・使用により、会社の業績に一定のプラス影響が見込めると説明している。
 一方、本土マーケットは続伸。主要指標の上海総合指数は、前営業日比0.10%高の3189.54ポイントで取引を終了した。エネルギー株が高い。発電・電力設備株、不動産株、素材株なども買われた。半面、消費関連株は安い。ハイテク株、医薬品株、銀行・保険株も売られた。



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