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2022/05/03 17:39

香港大引:ハンセン0.1%高で5日続伸、テック指数は1.4%下落 無料記事

 連休明け3日の香港マーケットは、主要66銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比12.50ポイント(0.06%)高の21101.89ポイントと5日続伸する一方、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)は31.44ポイント(0.43%)安の7267.25ポイントと5日ぶりに反落した。売買代金は1067億480万香港ドルに縮小している(4月29日は1651億1630万香港ドル)。
 中国経済対策の期待感が相場を支える流れ。中国の地方政府が相次いで住宅購入規制を緩和している――と報じられた。複数メディアによれば、広東省の梅州市政府は1日、1軒目の住宅購入時の頭金比率引き下げなどを発表。このほかにも、遼寧省瀋陽市、河南省洛陽市、江蘇省無錫市などが規制緩和を発表している。また、上海市など中国本土の一部都市や、香港で新型コロナウイルスの新規感染者数が減少しつつあることもプラス。香港政府トップの林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は3日の記者会見で、新型コロナウイルス感染対策を一部緩和すると表明した。もっとも、上値は重い。4月の中国景況感悪化や、一段の米金融引き締めなどを懸念し、ハンセン指数は安く推移する場面もあった(本土株指数はマイナスで終了)。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、域内大手行の中銀香港(2388/HK)が4.7%高、全国展開型デベロッパーの中国海外発展(688/HK)が4.1%高と上げが目立った。中銀香港に関しては、業績成長が好感されている。同社は4月29日引け後、2022年第1四半期(1〜3月)の業績概要を発表し、減損引当前の営業利益が前年同期比7.2%増の103億4900万香港ドル(約1710億円)に伸びたと報告した。
 セクター別では、デベロッパーや管理サービスの不動産関連が高い。上記した中国海外発展のほか、万科企業(2202/HK)が3.4%、龍湖集団HD(960/HK)が3.1%、雅生活智慧城市服務(3319/HK)が4.9%、碧桂園服務HD(6098/HK)が2.2%ずつ上昇した。
 香港に拠点を置く小売や外食の銘柄群もしっかり。莎莎国際HD(ササ・インターナショナル・ホールディングス:178/HK)が6.3%高、永旺百貨(イオン・ストアーズ・ホンコン:984/HK)が4.2%高、太興集団HD(タイヒン・グループ・ホールディングス:6811/HK)が4.9%高、大家楽集団(カフェ・ド・コラル:341/HK)が3.1%高と値を上げている。外食チェーン大手の大家楽集団はコロナ禍の影響で、通期業績が大幅な減益を強いられるとの見通しを明らかにしたが、「来期以降は改善する」との期待も広がった。
 エアラインや空港、代理店など旅行関連も物色される。国泰航空(キャセイ航空:293/HK)が2.8%高、中国南方航空(1055/HK)が1.6%高、海南美蘭国際空港(旧・瑞港国際機場集団:357/HK)が3.2%高、北京首都国際機場(北京首都空港:694/HK)が2.8%高、同程旅行HD(780/HK)が3.0%高、携程集団(9961/HK)が1.4%高で引けた。
 半面、「ニューエコノミー」関連銘柄は急落し、ハンセン科技(テック)指数は1.4%安で引けた。個別では、電子商取引(Eコマース)中国大手の京東集団(JDドットコム:9618/HK)が5.9%安、動画配信プラットフォーム中国大手のビリビリ(9626/HK)と新興EV(電気自動車)メーカーの理想汽車(リ・オート:2015/HK)がそろって5.7%安と値を下げた。理想汽車については、販売不振が売り材料視されている。同社は1日、今年4月の納車台数が4167台(前月比↓62.2%)にとどまったと発表した。
 一方、本土市場はメーデーの祝日により引き続き4日まで休場。5日から通常取引となる。


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