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2022/11/03 13:21

香港前場:ハンセン2.8%安で3日ぶり反落、上海総合は0.6%下落 無料記事

 3日前場の香港マーケットは、主要73銘柄で構成されるハンセン指数が前日比446.06ポイント(2.82%)安の15381.11ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が163.98ポイント(3.06%)安の5191.05ポイントとそろって3日ぶりに反落した。売買代金は561億5850万香港ドルに縮小している(2日前場は761億8360万香港ドル)。
 米金融引き締めの長期化懸念が投資家心理を重くする流れ。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は米連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見で、◇インフレは高止まりしている、◇利上げ停止の議論は時期尚早、◇最終的な金利想定は従来よりも高くなった――と発言した。FOMCでは、予想通り4会合連続で通常の3倍となる0.75%の利上げが決定されている。また、金融政策で米国に追随する香港でも、香港金融管理局(HKMA)が3日、政策金利である基準金利を3.50→4.25%に0.75%引き上げた。金利高が景気を冷やすと不安視されている。(亜州リサーチ編集部)
 「ニューエコノミー」関連銘柄に売りが先行。ハンセン科技(テック)指数は3.6%安と他の指数をアンダーパフォームした(構成銘柄30のうち下落28)。個別では、新興EV(電気自動車)メーカーの蔚来集団(9866/HK)が8.0%安、電子書籍ストアの閲文集団(772/HK)が6.8%安、オンラインゲーム大手の網易(9999/HK)が6.7%安と下げが目立っている。蔚来集団については、工場停止が引き続き売り材料。複数メディアが2日伝えたところによれば、地元当局の新型コロナウイルス防疫対策により、安徽省合肥市に置く完成車工場2カ所の稼働を一時停止した。
 レストランチェーンや酒造など飲食関連も安い。呷哺呷哺餐飲管理(520/HK)が7.8%、九毛九国際HD(9922/HK)が6.0%、海倫司国際HD(9869/HK)が5.0%、華潤ビールHD(291/HK)と青島ビール(168/HK)がそろって4.1%ずつ下落している。前日の相場では、中国の経済再開(リ・オープン)が期待され、それぞれ大幅上昇していた。 
 医薬品セクターも急落。康希諾生物(6185/HK)が26.5%安、石薬集団(1093/HK)が10.1%安、中国神威薬業集団(2877/HK)が6.2%安、中国生物製薬(1177/HK)が5.9%安で引けた。バイオ医薬品ベンチャーの康希諾については、業績拡大の期待がはく落。同社は2日引け後、自主開発した吸入型新型コロナウイルスワクチンについて、業績の大幅成長をもたらすものではないとコメントしている。足もとでは、中国各地でカンシノ製吸入型ワクチンの接種が始まっていることを手がかりに、香港マーケットの同社株価は2日まで8連騰し、期間中に3倍近く上昇していた。
 海運セクターもさえない。東方海外(316/HK)が6.9%安、海豊国際HD(1308/HK)が6.8%安、中遠海運HD(1919/HK)が5.5%安、太平洋航運集団(2343/HK)が3.0%安と値を下げた。
 半面、中国発電セクターはしっかり。中国電力国際発展(2380/HK)が6.3%高、華潤電力HD(836/HK)が5.1%高、龍源電力集団(916/HK)が4.6%高、華電国際電力(1071/HK)が1.7%高とそろって反発した。
 一方、本土マーケットも3日ぶり反落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.63%安の2984.43ポイントで前場の取引を終了した。消費関連株が安い。公益株、不動産株、金融株、医薬品株、エネルギー株、海運株なども売られた。半面、半導体株は高い。軍事関連株の一角も買われた。


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