2022/05/10 17:49
香港大引:ハンセン1.8%安で4日続落、テック指数は3.2%下落
休場明け10日の香港マーケットは、主要66銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比368.27ポイント(1.84%)安の19633.69ポイントと4日続落し、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が151.27ポイント(2.22%)安の6658.25ポイントと5日続落した(ハンセン指数は約2カ月ぶり安値)。売買代金は1436億8030万香港ドルに拡大している(6日は1178億2640万香港ドル)。
世界景気の先行き不安が強まる流れ。中国指標の悪化と欧米の金利高が嫌気された。昨日公表された今年4月の中国貿易統計は、輸出の伸びが元建てベースで1.9%にとどまり、前月の12.9%から予想(3.1%)以上に鈍化している。昨夜の債券市場では、米10年債利回りが高止まりし、一時、約3年半ぶりの高水準を付けた。また、ドイツ10年債利回りは一時8年ぶりの高い水準に達している。
米国の対中圧力もネガティブ材料。米証券取引委員会(SEC)は9日、「外国企業説明責任法(HFCAA)」に抵触する上場企業の暫定リストに、滴滴出行(DIDI/NYSE)など11社を追加した。会計監査などで米中が合意できなかった場合、上場廃止の恐れがある。そのほか、米商務省は新たに、国内企業による中国企業への先進的な半導体製造装置の販売を禁止することを検討しているもよう――などと伝わった。ただ、本土株続伸を横に眺めながら、指数は引けにかけて下げ幅をやや縮小させている。(亜州リサーチ編集部)
「ニューエコノミー」関連銘柄に売りが先行。ハンセン科技(テック)指数は3.2%安と他の指数をアンダーパフォームした。個別では、半導体ファウンドリ中国大手の華虹半導体(ファホンセミコンダクター:1347/HK)が12.7%安、高性能データセンター開発・運営の万国数拠HD(GDSホールディングス:9698/HK)が10.9%安、新興電気自動車(EV)メーカーの小鵬汽車(9868/HK)が9.9%安と下げが目立っている。
小鵬汽車のほかにも電気自動車(EV)関連が急落。蔚来汽車(ニーオ:9866/HK)が10.2%安、理想汽車(2015/HK)が6.6%安、比亜迪(BYD:1211/HK)が5.9%安で取引を終えた。BYDに関しては、異臭問題の浮上で長沙工場(湖南省)が操業を停止し、改修作業に着手したもよう――と報じられたことも売り材料視されている。現時点でこの改修作業が納車に影響するかどうかは不明という。
石炭・石油セクターも安い。中国中煤能源(1898/HK)が5.0%、エン鉱能源集団(1171/HK)が3.7%、中国神華能源(1088/HK)が3.5%、中国石油天然気(ペトロチャイナ:857/HK)が4.3%、中国海洋石油(CNOOC:883/HK)が3.5%ずつ下落した。
半面、食品飲料・酒造セクターはしっかり。中国旺旺HD(151/HK)が2.3%高、康師傅HD(ティンイー:322/HK)が1.4%高、中国蒙牛乳業(2319/HK)が1.0%高、華潤ビールHD(291/HK)が3.5%高、青島ビール(168/HK)が1.4%高で引けた。蒙牛は6日引け後、フランスの食品大手ダノンとの業務提携関係を解消すると発表。イメージダウンが警戒される中、一時7.6%安と下げ、約1年7カ月ぶりの安値水準に落ち込んでいたが、引けにかけて急速に値を戻した。
一方、本土マーケットは続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比1.06%高の3035.84ポイントで取引を終了した。ハイテク株が高い。インフラ建設関連株、公益株、医薬品株、空運株、不動産株、銀行・証券株、家電や食品、小売など消費関連株の一角なども買われている。半面、石炭・石油株は安い。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。
世界景気の先行き不安が強まる流れ。中国指標の悪化と欧米の金利高が嫌気された。昨日公表された今年4月の中国貿易統計は、輸出の伸びが元建てベースで1.9%にとどまり、前月の12.9%から予想(3.1%)以上に鈍化している。昨夜の債券市場では、米10年債利回りが高止まりし、一時、約3年半ぶりの高水準を付けた。また、ドイツ10年債利回りは一時8年ぶりの高い水準に達している。
米国の対中圧力もネガティブ材料。米証券取引委員会(SEC)は9日、「外国企業説明責任法(HFCAA)」に抵触する上場企業の暫定リストに、滴滴出行(DIDI/NYSE)など11社を追加した。会計監査などで米中が合意できなかった場合、上場廃止の恐れがある。そのほか、米商務省は新たに、国内企業による中国企業への先進的な半導体製造装置の販売を禁止することを検討しているもよう――などと伝わった。ただ、本土株続伸を横に眺めながら、指数は引けにかけて下げ幅をやや縮小させている。(亜州リサーチ編集部)
「ニューエコノミー」関連銘柄に売りが先行。ハンセン科技(テック)指数は3.2%安と他の指数をアンダーパフォームした。個別では、半導体ファウンドリ中国大手の華虹半導体(ファホンセミコンダクター:1347/HK)が12.7%安、高性能データセンター開発・運営の万国数拠HD(GDSホールディングス:9698/HK)が10.9%安、新興電気自動車(EV)メーカーの小鵬汽車(9868/HK)が9.9%安と下げが目立っている。
小鵬汽車のほかにも電気自動車(EV)関連が急落。蔚来汽車(ニーオ:9866/HK)が10.2%安、理想汽車(2015/HK)が6.6%安、比亜迪(BYD:1211/HK)が5.9%安で取引を終えた。BYDに関しては、異臭問題の浮上で長沙工場(湖南省)が操業を停止し、改修作業に着手したもよう――と報じられたことも売り材料視されている。現時点でこの改修作業が納車に影響するかどうかは不明という。
石炭・石油セクターも安い。中国中煤能源(1898/HK)が5.0%、エン鉱能源集団(1171/HK)が3.7%、中国神華能源(1088/HK)が3.5%、中国石油天然気(ペトロチャイナ:857/HK)が4.3%、中国海洋石油(CNOOC:883/HK)が3.5%ずつ下落した。
半面、食品飲料・酒造セクターはしっかり。中国旺旺HD(151/HK)が2.3%高、康師傅HD(ティンイー:322/HK)が1.4%高、中国蒙牛乳業(2319/HK)が1.0%高、華潤ビールHD(291/HK)が3.5%高、青島ビール(168/HK)が1.4%高で引けた。蒙牛は6日引け後、フランスの食品大手ダノンとの業務提携関係を解消すると発表。イメージダウンが警戒される中、一時7.6%安と下げ、約1年7カ月ぶりの安値水準に落ち込んでいたが、引けにかけて急速に値を戻した。
一方、本土マーケットは続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比1.06%高の3035.84ポイントで取引を終了した。ハイテク株が高い。インフラ建設関連株、公益株、医薬品株、空運株、不動産株、銀行・証券株、家電や食品、小売など消費関連株の一角なども買われている。半面、石炭・石油株は安い。
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