2022/08/17 13:36
香港前場:ハンセン0.8%高で3日ぶり反発、上海総合は0.3%上昇
17日前場の香港マーケットは、主要69銘柄で構成されるハンセン指数が前日比167.27ポイント(0.84%)高の19997.79ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が55.53ポイント(0.83%)高の6783.47ポイントとそろって3日ぶりに反発した。売買代金は446億6030万香港ドルとなっている(16日前場は412億1250万香港ドル)。
中国の景気対策に対する期待感が相場を支える流れ。李克強・首相は16日、広東や江蘇、浙江など主要な6省とビデオ会議を実施し、経済下支えのためマクロ経済政策を強化し、消費促進と投資拡大に向けた措置を拡大すると表明した。また、7月の各種経済統計が下振れたことなどを背景に、金融関係者の間からは、「新たな支援策を導入し、景気対策を強化するべき」との声が相次いでいる。ただ、指数は安く推移する場面もみられた。中国では猛暑の影響で電力が不足し、一部地域では計画停電が実施されている。工場操業の停止も余儀なくされる中、景気に対する影響が懸念された。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、電動工具メーカー大手の創科実業(669/HK)が5.9%高、飲食ポータルサイトの美団(3690/HK)が4.6%高、ガラス生産の信義玻璃HD(868/HK)が3.1%高と上げが目立った。美団は前日の取引で、大株主の騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)が保有する全て、または大部分の株式を売却する計画――との情報が伝わり9.1%安と急落。その後、テンセントはその報道を否定したこともあり、投資家に買い安心感が広がった。
セクター別では、中国不動産が高い。旭輝HD(884/HK)が5.2%、碧桂園HD(2007/HK)が2.8%、合景泰富集団HD(1813/HK)が2.6%、万科企業(2202/HK)が2.0%ずつ上昇した。産業支援の動きや、金利引き下げの期待が追い風となっている。22日に公表される銀行貸し出しの指標となる最優遇貸出金利「ローンプライムレート(LPR)」に関しては、引き下げられるとの見方だ。LPRは住宅ローン金利に影響する。
発電や設備の電力セクターもしっかり。中国電力国際発展(2380/HK)が7.5%高、華能国際電力(902/HK)が3.6%高、華潤電力HD(836/HK)が2.9%高、ハルビン電気(1133/HK)が2.7%高、東方電気(1072/HK)が2.3%高で引けた。
スポーツ用品や家電、食品など消費セクターの一角も物色される。TCL電子HD(1070/HK)が11.8%高、海爾智家(6690/HK)が2.8%高、安踏体育用品(2020/HK)が1.6%高、特歩国際HD(1368/HK)が1.4%高、中糧家佳康食品(1610/HK)が2.0%高、万洲国際(288/HK)が1.8%高で前場取引を終えた。豚肉生産で世界トップの万洲国際に関しては、中間決算の2割増益も好感されている。
半面、医薬品・医療機器セクターはさえない。四環医薬HD集団(460/HK)が8.2%安、百済神州(6160/HK)が3.2%安、石薬集団(1093/HK)が3.1%安、微創医療科学(853/HK)が2.3%安、コン博医療HD(2216/HK)が1.5%安と値を下げた。心臓・脳血管薬で国内最大手の四環医薬は16日、グループ組織体制の再編計画を打ち出したが、好感する買いは限定されている。
一方、本土マーケットは続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.28%高の3287.02ポイントで前場の取引を終了した。不動産株が高い。金融株、消費関連株、ハイテク株、発電・電力設備株、空運株なども買われた。半面、エネルギー株は安い。素材株、海運株も売られた。
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中国の景気対策に対する期待感が相場を支える流れ。李克強・首相は16日、広東や江蘇、浙江など主要な6省とビデオ会議を実施し、経済下支えのためマクロ経済政策を強化し、消費促進と投資拡大に向けた措置を拡大すると表明した。また、7月の各種経済統計が下振れたことなどを背景に、金融関係者の間からは、「新たな支援策を導入し、景気対策を強化するべき」との声が相次いでいる。ただ、指数は安く推移する場面もみられた。中国では猛暑の影響で電力が不足し、一部地域では計画停電が実施されている。工場操業の停止も余儀なくされる中、景気に対する影響が懸念された。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、電動工具メーカー大手の創科実業(669/HK)が5.9%高、飲食ポータルサイトの美団(3690/HK)が4.6%高、ガラス生産の信義玻璃HD(868/HK)が3.1%高と上げが目立った。美団は前日の取引で、大株主の騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)が保有する全て、または大部分の株式を売却する計画――との情報が伝わり9.1%安と急落。その後、テンセントはその報道を否定したこともあり、投資家に買い安心感が広がった。
セクター別では、中国不動産が高い。旭輝HD(884/HK)が5.2%、碧桂園HD(2007/HK)が2.8%、合景泰富集団HD(1813/HK)が2.6%、万科企業(2202/HK)が2.0%ずつ上昇した。産業支援の動きや、金利引き下げの期待が追い風となっている。22日に公表される銀行貸し出しの指標となる最優遇貸出金利「ローンプライムレート(LPR)」に関しては、引き下げられるとの見方だ。LPRは住宅ローン金利に影響する。
発電や設備の電力セクターもしっかり。中国電力国際発展(2380/HK)が7.5%高、華能国際電力(902/HK)が3.6%高、華潤電力HD(836/HK)が2.9%高、ハルビン電気(1133/HK)が2.7%高、東方電気(1072/HK)が2.3%高で引けた。
スポーツ用品や家電、食品など消費セクターの一角も物色される。TCL電子HD(1070/HK)が11.8%高、海爾智家(6690/HK)が2.8%高、安踏体育用品(2020/HK)が1.6%高、特歩国際HD(1368/HK)が1.4%高、中糧家佳康食品(1610/HK)が2.0%高、万洲国際(288/HK)が1.8%高で前場取引を終えた。豚肉生産で世界トップの万洲国際に関しては、中間決算の2割増益も好感されている。
半面、医薬品・医療機器セクターはさえない。四環医薬HD集団(460/HK)が8.2%安、百済神州(6160/HK)が3.2%安、石薬集団(1093/HK)が3.1%安、微創医療科学(853/HK)が2.3%安、コン博医療HD(2216/HK)が1.5%安と値を下げた。心臓・脳血管薬で国内最大手の四環医薬は16日、グループ組織体制の再編計画を打ち出したが、好感する買いは限定されている。
一方、本土マーケットは続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.28%高の3287.02ポイントで前場の取引を終了した。不動産株が高い。金融株、消費関連株、ハイテク株、発電・電力設備株、空運株なども買われた。半面、エネルギー株は安い。素材株、海運株も売られた。
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