12日前場の香港マーケットは、主要73銘柄で構成されるハンセン指数が前日比336.84ポイント（2.00％）安の16495.52ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数（旧H株指数）が121.25ポイント（2.12％）安の5608.33ポイントとそろって5日続落した。売買代金は468億5240万香港ドルとなっている（11日前場は502億7610万香港ドル）。
　景気不安が投資家心理を冷やす流れ。国際通貨基金（IMF）は11日、最新の世界経済見通し（WEO）を公表し、うち中国については、今年の成長率を3.2％（7月時点で予想3.3％）、2023年を4.4％（同4.6％）に下方修正した。IMFは世界全体の見通しも下方修正し、「最悪期はこれから」と警鐘を鳴らしている。中国経済活動の停滞も不安視。中国共産党機関誌の人民日報は12日、新型コロナウイルスの感染を徹底的に封じ込める「ゼロコロナ」政策を引き続き堅持する必要があるとの論説を3日連続で掲載した。(亜州リサーチ編集部)
　ハンセン指数の構成銘柄では、火鍋チェーン最大手の海底撈国際HD（6862/HK）が7.3％安、不動産管理サービスの碧桂園服務HD（6098/HK）が6.5％安、マカオ・カジノの金沙中国（1928/HK）が5.2％安と下げが目立った。
　セクター別では、レストランチェーンや酒造の飲食関連が安い。上記した海底撈国際ほか、百勝中国HD（9987/HK）が8.2％、九毛九国際HD（9922/HK）が5.3％、百威亜太HD（1876/HK）が5.3％、華潤ビールHD（291/HK）が4.7％、青島ビール（168/HK）が4.1％ずつ下落した。
　カジノや旅行代理店、エアラインなどレジャー関連もさえない。前記した金沙中国のほか、澳門博彩HD（880/HK）が6.7％安、携程集団（9961/HK）が9.0％安、同程芸龍HD（780/HK）が6.0％安、中国東方航空（670/HK）が4.0％安、中国国際航空（753/HK）が2.4％安で引けた。
　スポーツ用品や家電など消費セクターも売られる。李寧（2331/HK）が4.2％安、安踏体育用品（2020/HK）が3.7％安、中国動向（3818/HK）が3.4％安、創維集団（751/HK）が3.9％安、海信家電集団（921/HK）が3.4％安と値を下げた。
　一方、本土マーケットは反落。主要指標の上海総合指数は、前日比1.23％安の2943.24ポイントで前場の取引を終了した。消費関連株が安い。医薬品株、素材株、公益株、インフラ関連株、運輸株、エネルギー株、ハイテク株、銀行株なども売られた。




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