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2023/01/03 17:38

香港大引:ハンセン1.8%高で続伸、自動車とカジノに買い 無料記事

 年明け初商い3日の香港マーケットは、主要76銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比363.88ポイント(1.84%)高の20145.29ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が129.04ポイント(1.92%)高の6833.98ポイントとそろって続伸した。ハンセン指数は節目の20000ポイントを終値で突破し、昨年8月以来の高値水準を回復している。売買代金は1206億5270万香港ドルに拡大した(12月30日は870億2030万香港ドル)。
 中国経済対策の期待感が相場を支える流れ。12月の中国製造業PMI(国家統計局などが集計)が大幅に下振れたことを受け、「当局は景気テコ入れスタンスを強める」との見方が広がった。人民元高の動きもプラス。3日の外国為替市場では、対米ドルのオフショア人民元が元高基調を強め、昨年8月の水準で推移している。人民元国際化の思惑が高まった。中国人民銀行(中央銀行)は12月30日、人民元の為替取引の時間を1月3日から延長すると発表。人民銀は声明文で、アジア、欧州、北米市場の取引時間帯をより多くカバーすることで、人民元建て資産の魅力を高める狙いと説明した。景況感悪化を嫌気した売りが先行し、ハンセン指数は一時2.4%安と急反落したものの、中盤からプラスに転じている。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、通信キャリア大手の中国聯通(762/HK)が7.2%高、電池・自動車メーカーの比亜迪(1211/HK)が4.7%高、不動産管理サービスの華潤万象生活(1209/HK)が4.5%高と上げが目立った。
 セクター別では、自動車が高い。上記した比亜迪のほか、華晨中国汽車HD(1114/HK)が12.1%、理想汽車(2015/HK)が10.5%、小鵬汽車(9868/HK)が7.8%ずつ上昇した。ゴールドマン・サックス(GS)は最新リポートで、中国の2023年新車販売見通し(小売ベース)を1900万→2050万台に7.9%上方修正。前年並みを確保するとの見通しを示した。華晨中国汽車HD(1114/HK)については、合弁会社株の譲渡に伴う売却収入により、特別配当を実施する計画を明らかにしたことも刺激となっている。
 マカオ・カジノ銘柄も急伸。美高梅中国HD(2282/HK)が13.3%高、永利澳門(1128/HK)が6.2%高、澳門博彩HD(880/HK)が5.5%高、新濠国際発展(200/HK)が4.8%高で引けた。業績回復の期待が高まっている。マカオの昨年12月カジノ売上高は前年同月比で56%減少したものの、前月比では16%増加した。また、JPモルガン・チェース(JPM)は最新リポートで、マカオのカジノ売上高が2023年に大幅な回復傾向を示すとの見通しを示している。
 発電や設備の電力セクターも物色される。華能国際電力(902/HK)が10.0%高、中国電力国際発展(2380/HK)が9.9%高、華潤電力HD(836/HK)が3.9%高、ハルビン電気(1133/HK)が15.0%高、東方電気(1072/HK)が4.8%高と値を上げた。
 一方、本土マーケットも続伸。主要指標の上海総合指数は、前営業日比0.88%高の3116.51ポイントで取引を終了した。ITハイテク株が高い。電力株、インフラ建設株、娯楽・メディア株、資源・素材株、医薬品株、自動車株なども買われた。半面、酒造・食品株は安い。運輸株、保険・証券株も売られた。


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