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2022/12/30 17:31

香港大引:ハンセン0.2%高で反発、中国不動産セクターに買い 無料記事

 大納会となる12月30日の香港マーケットは、主要76銘柄で構成されるハンセン指数が前日比40.27ポイント(0.20%)高の19781.41ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が9.37ポイント(0.14%)高の6704.94ポイントとそろって反発した(年間騰落率は、ハンセン指数がマイナス15.46%、本土株指数がマイナス18.59%)。売買代金は870億2030万香港ドルと低水準が続いている(29日は907億5270万香港ドル)。
 米長期金利の上昇一服が好感される流れ。米利上げの長期化観測がやや後退する中、昨夜の米債券市場では、米10年債利回りが低下に転じている。中国人民銀行(中央銀行)の資金供給スタンスもプラス。人民銀は30日、リバースレポを通じ、満期分との差引で1810億人民元の資金を市中に供給した。12月26〜30日の1週間では、差引9750億人民元(約18兆5890億円)に達し、2019年1月以来の大きさとなっている。ただ、上値は重い。中国の新型コロナウイルス感染急拡大が懸念材料だ。英国の医療関連調査会社エアフィニティーは12月29日、中国の足元の1日当たり感染者は約180万人、死者は約9000人に達していると指摘。死者数は1週間前の試算からほぼ倍増した計算だ。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、本土不動産の上げが目立つ。華潤置地(1109/HK)が3.9%高、碧桂園服務HD(6098/HK)が3.1%高、龍湖集団HD(960/HK)が3.0%高で引けた。中国当局は足もとで、不動産支援策を強めている。
 オンラインゲーム関連も高い。中手遊科技集団(302/HK)が11.1%、心動(2400/HK)が5.9%、IGG(799/HK)が4.3%、網龍網絡(777/HK)が3.2%、網易(9999/HK)が2.9%ずつ上昇した。ゲーム新規承認の加速が改めて材料視されている。国産ゲームのリリース(出版)許可審査は今年4月に9カ月ぶりに再開され、12月の新規承認は128件と11月の70件から大幅に増加した(10月はゼロ、9月は73件など)。中国のゲーム業界に対する政策の風向きは変化している状況。共産党機関紙「人民日報」の電子版、人民網は11月16日、「電子ゲーム産業の価値を深耕する機会を失うべきではない」と題する論説記事を発表した。
 自動車セクターも物色される。浙江零ホウ科技(9863/HK)が9.8%高、理想汽車(2015/HK)が3.1%高、小鵬汽車(9868/HK)が2.1%高、長城汽車(2333/HK)が1.6%高で引けた。中国商務部は29日の記者会見で、消費の回復拡大に注力すると表明。自動車販売を安定化させる方針を示した。新興EV(電気自動車)メーカーの理想汽車に関しては、2022年12月の新車納車台数が2万台を突破し、月次ベースの過去最多を更新するとの見通しを公表したことも刺激材料となっている。
 半面、医薬品・医療機器関連セクターはさえない。中国神威薬業集団(2877/HK)が3.6%安、石薬集団(1093/HK)が3.0%安、百済神州(6160/HK)が1.6%安、微創医療科学(853/HK)が3.1%安、上海微創医療機器人集団(2252/HK)が2.6%安で取引を終えた。
 一方、本土マーケットは3日ぶり反発。主要指標の上海総合指数は、前日比0.51%高の3089.26ポイントで取引を終了した。金融株が相場けん引。発電株、消費関連株、運輸株、エネルギー株、インフラ関連株、不動産株なども買われた。半面、医薬品株は安い。半導体株、素材株も売られた。


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