22日前場の香港マーケットは、主要76銘柄で構成されるハンセン指数が前日比5.33ポイント（0.03％）高の20534.82ポイントと小反発する一方、本土企業株で構成される中国本土株指数（旧H株指数）は44.97ポイント（0.65％）安の6880.10ポイントと続落した。売買代金は676億9800万香港ドルに拡大している（21日前場は565億850万香港ドル）。
　経済対策の期待感が相場を下支えする流れ。中国では来週末の3月5日、全国人民代表大会（全人代、国会に相当）が開幕する予定だ。中国景気のテコ入れに向けて、各種方針が打ち出されると見込まれている。香港では陳茂波（ポール・チャン）財政長官が22日、次年度（2023/24年）予算案について演説。景気テコ入れのため、赤字財政を継続すると述べた。香港住民を対象とした消費クーポンは、前年からは半減するものの、今年も配布される。ただ、米金利高が嫌気され上値は重い。昨夜の米債券市場では、長期金利の指標となる10年債利回りが一時、昨年11月以来の水準に達した。ハンセン指数も安く推移する場面がみられている。(亜州リサーチ編集部)
　ハンセン指数の構成銘柄では、香港拠点の金融が高い。HSBC（5/HK）が4.9％、恒生銀行（11/HK）が2.7％、中銀香港（2388/HK）が2.2％ずつ上昇した。そのほか、香港不動産の一角も買われている。
　中国・香港消費セクターの一角もしっかり。白物家電大手の海信家電集団（921/HK）が5.5％高、中国ミネラルウォーター最大手の農夫山泉（9633/HK）が1.4％高、宝飾小売チェーン大手の周大福珠宝（1929/HK）が1.3％高、化粧品販売店チェーンの莎莎国際HD（178/HK）が1.1％高で引けた。
　半面、中国自動車セクターは安い。小鵬汽車（9868/HK）が3.5％、理想汽車（2015/HK）が2.9％、蔚来集団（9866/HK）が1.6％、比亜迪（1211/HK）が1.3％ずつ下落した。
　中国発電セクターもさえない。華潤電力HD（836/HK）が3.4％安、中国電力国際発展（2380/HK）が3.1％安、華電国際電力（1071/HK）が2.4％安、華能国際電力（902/HK）が2.1％安と値を下げた。
　一方、本土マーケットは3日ぶりに反落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.25％安の3298.13ポイントで取引を終了した。素材株が安い。金融株、ハイテク株、不動産株、公益株、消費関連株なども売られた。半面、医薬品株は高い。エネルギー株、空運株、軍事関連株も買われた。



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