17日前場の香港マーケットは、主要76銘柄で構成されるハンセン指数が前日比121.37ポイント（0.58％）安の20866.30ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数（旧H株指数）が38.94ポイント（0.55％）安の7051.01ポイントとそろって反落した。売買代金は441億4520万香港ドルに縮小している（16日前場は639億7630万香港ドル）。
　米金融引き締めの長期化が警戒される流れ。インフレ高止まりを示唆する経済指標が続く中、金融当局者からは積極的な利上げを支持する発言が相次いでいる。セントルイス連銀のブラード総裁は16日、「3月の米連邦公開市場委員会（FOMC）では、0.5％利上げの可能性を排除しない」と述べた。香港は金融政策で米国に追随する場合が多いだけに、域内金利の上昇も不安視されている。ただ、下値は限定的。中国景気の持ち直し期待が根強いほか、米中関係の過度な悪化懸念がやや後退している。バイデン米大統領は16日、偵察用気球の撃墜で高まった中国との緊張緩和に向けて、習近平・国家主席と会談する意向を示した。(亜州リサーチ編集部)
　ハンセン指数の構成銘柄では、宝飾小売チェーン大手の周大福珠宝（1929/HK）が3.9％安、パソコン（PC）世界大手の聯想集団（992/HK）が2.9％安、飲食ポータルサイトの美団（3690/HK）が2.4％安と下げが目立った。
　中国ネット株も安い。上記した美団のほか、百度集団（9888/HK）が2.2％、阿里巴巴集団HD（9988/HK）が1.5％ずつ下落した。ハンセン科技（テック）指数は1.5％安と他の指数をアンダーパフォームしている。
　カジノや映画、旅行代理店などレジャー関連もさえない。美高梅中国HD（2282/HK）が2.6％安、金沙中国（1928/HK）が1.5％安、アイマックス・チャイナHD（1970/HK）が3.8％安、猫眼娯楽（1896/HK）が3.0％安、同程旅行HD（780/HK）が1.6％安、携程集団（9961/HK）が1.1％安で引けた。
　半面、非鉄セクターは高い。中国宏橋集団（1378/HK）が3.6％、中国アルミ（2600/HK）が3.3％、江西銅業（358/HK）が1.7％、新疆新キン鉱業（3833/ずつ上昇した。
　発電や設備の電力セクターもしっかり。華潤電力HD（836/HK）が1.7％高、中国電力国際発展（2380/HK）と華電国際電力（1071/HK）、ハルビン電気（1133/HK）がそろって1.5％高、東方電気（1072/HK）が1.2％高で前場取引を終えた。
　一方、本土マーケットは3日続落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.16％安の3243.82ポイントで取引を終了した。ハイテク株が安い。通信・メディア株、自動車株、銀行・証券株、軍事関連株なども売られた。半面、素材株は高い。エネルギー株、公益株、医薬品株、保険株、食品・酒造株も買われた。




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