29日の中国本土マーケットは、主要指標の上海総合指数が前日比71.20ポイント（2.31％）高の3149.75ポイントと反発した。9月15日以来、約2カ月ぶりの高値水準を回復している。
　投資家のリスク選好スタンスが急回復する流れ。新型コロナウイルス感染の防疫措置を巡る懸念がやや後退したほか、中国経済対策の動きが改めて材料視された。コロナ政策に抵抗し、週末に拡大した抗議活動については、ひとまず沈静化の方向に向かっている。共産党機関紙の人民日報は、「ゼロコロナ」政策の重要性を強調しながらも、「行き過ぎた行動抑制があってはならない」との文章を掲載した。経済対策では、不動産デベロッパーの資金繰り支援策が相次ぐ状況。中国証券監督管理委員会は28日、不動産企業のエクイティファイナンス再開など5項目の措置を発表した。（亜州リサーチ編集部)
　業種別では、不動産の上げが目立つ。新城控股集団（601155/SH）と金地集団（600383/SH）、緑地HD（600606/SH）がそろってストップ（10.0％）高、保利地産（600048/SH）が9.6％高で引けた。
　消費関連株も物色される。免税店の中国旅遊集団中免（601888/SH）が6.0％高、白酒（中国の蒸留酒）の貴州茅台酒（600519/SH）と百貨店の王府井集団（600859/SH）がそろって5.9％高、家電の海爾智家（600690/SH）が4.5％高、自動車の広州汽車集団（601238/SH）が3.4％高で取引を終えた。貴州茅台酒については、上場初の特別配当も好感されている。
　金融株も高い。招商銀行（600036/SH）が9.1％、興業銀行（601166/SH）が6.5％、中国平安保険（601318/SH）が8.1％、中国人寿保険（601628/SH）が7.2％ずつ上昇した。医薬品株、素材株、インフラ関連株、ハイテク株、運輸株なども買われている。
　一方、外貨建てB株相場は、上海B株指数が4.21ポイント（1.46％）高の291.63ポイント、深センB株指数が19.08ポイント（1.70％）高の1138.14ポイントで終了した。



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