31日の中国本土マーケットは、主要指標の上海総合指数が前日比19.65ポイント（0.61％）安の3204.56ポイントと4日ぶりに反落した。
　中国景気の先行き不安が強まる流れ。朝方公表された5月の中国製造業PMIは48.8に悪化し、市場予想（49.5）をさらに下回った。景況判断の境目となる50を2カ月連続で割り込んでいる。今月に入り公表された中国指標は、総じて弱い内容だ。また、また、中国本土の新型コロナウイルス感染再流行や、外国為替市場で対米ドルの人民元安が進行していることも不安視されている。(亜州リサーチ編集部)
　業種別では、石油や石炭などエネルギーの下げが目立つ。中国海洋石油（600938/SH）が4.3％安、中国石油天然気（601857/SH）が2.2％安、エン鉱能源（600188/SH）が9.2％安、中国神華能源（601088/SH）が3.2％安で引けた。そのほか、海洋油田掘削サービスの中海油田服務（601808/SH）が1.9％安、タンカーの招商局能源運輸（601872/SH）が1.6％安で取引を終えている。原油安が逆風。WTI原油先物は昨夜、前日比4.4％安と急反落した。
　消費関連株も安い。免税店の中国旅遊集団中免（601888/SH）が3.7％、酒造の貴州茅台酒（600519/SH）が2.4％、食品の仏山市海天調味食品（603288/SH）が2.3％、家庭用品の喜臨門家具（603008/SH）が2.2％、自動車の長城汽車（601633/SH）が1.8％ずつ下落した。公益株、医薬品株、素材株、金融株、海運株なども売られている。
　半面、ITハイテク株はしっかり。LED基盤・チップ中国最大手の三安光電（600703/SH）が8.7％高、IC設計の上海韋爾半導体（603501/SH）が2.4％高、金融機関向けセキュリティーソフトの深セン市金証科技（600446/SH）が2.1％高、業務ソフト開発大手の用友網絡科技（600588/SH）が1.5％高と値を上げた。軍事関連株、メディア・娯楽株も買われている。
　一方、外貨建てB株相場は、上海B株指数が9.59ポイント（3.43％）安の270.23ポイント、深センB株指数が35.32ポイント（3.14％）安の1090.63ポイントで終了した。