週明け28日前場の香港マーケットは、主要73銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比348.17ポイント（1.98％）安の17225.41ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数（旧H株指数）が129.23ポイント（2.16％）安の5841.87ポイントとそろって続落した。売買代金は707億40万香港ドルに拡大している（25日前場は495億400万香港ドル）。
　投資家のリスク回避スタンスが強まる流れ。新型コロナウイルス感染の防疫措置を巡り、首都・北京や商都・上海などで抗議活動が広がっている。当局は新型コロナの感染拡大を徹底的に封じ込める「ゼロコロナ」政策を堅持。足もとでは新規感染数が急増し、複数エリアでロックダウン（都市封鎖）などの行動抑制が実施されている。中国経済の先行きも不安視。全国工業企業の利益総額は今年1〜10月、前年同期比3.0％減の6兆9768億2000万人民元（約135兆円）に縮小した。マイナス成長は4カ月連続で、減少率は1〜9月の2.3％から拡大している。（亜州リサーチ編集部)
　「ニューエコノミー」関連銘柄に売りが先行。ハンセン科技（テック）指数は2.3％安と他の指数をアンダーパフォームしている。個別では、インターネット専業保険で中国最大手の衆安在線財産保険（6060/HK）が4.8％安、動画配信プラットフォーム中国大手のビリビリ（9626/HK）が4.4％安、新興EV（電気自動車）メーカーの理想汽車（2015/HK）が4.3％安と下げが目立った。理想汽車については、納車遅延が売り材料視されている。同社は27日、部品不足の影響により、一部車種の納期を2〜3週間ずつ先送りしたことを明らかにした。
　本土不動産セクターも安い。雅居楽集団HD（3383/HK）が6.9％、広州富力地産（2777/HK）が6.2％、碧桂園HD（2007/HK）が5.2％、龍湖集団HD（960/HK）が5.0％ずつ下落した。
　中国金融セクターもさえない。上記した衆安在線財産保険のほか、中国平安保険（2318/HK）が4.9％、中国人寿保険（2628/HK）が3.9％、招商銀行（3968/HK）が4.0％、中国郵政儲蓄銀行（1658/HK）が3.7％で引けた。
　半面、マカオのカジノ銘柄は高い。永利澳門（1128/HK）が15.8％、美高梅中国HD（2282/HK）が11.9％、澳門博彩HD（880/HK）が6.0％、金沙中国（1928/HK）が5.3％ずつ上昇した。カジノ免許更新で買い安心感が広がる。マカオ政府は26日、来年からの次期カジノ事業ライセンスについて、既存6社に付与することが内定したと発表した。
　一方、本土マーケットは反落。主要指標の上海総合指数は、前営業日比1.03％安の3069.66 ポイントで前場の取引を終了した。医薬品株が安い。金融株、消費関連株、エネルギー株、素材株、ハイテク株、不動産株、海運株なども売られた。半面、公益株は高い。空運株、メディア関連株も買われた。



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