週明け3日前場の香港マーケットは、主要76銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比120.57ポイント（0.59％）安の20279.54ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数（旧H株指数）が57.03ポイント（0.82％）安の6911.83ポイントとそろって5日ぶりに反落した。売買代金は629億7070万香港ドルに縮小している（3月31日前場は782億5660万香港ドル）。
　売り圧力が意識される流れ。ハンセン指数は先週、連日で3月7日以来の高値水準を切り上げていた。景況感指数の下振れも重し。取引時間中に発表された民間集計の財新製造業PMIは50.0にとどまり、予想（51.4）を大幅に下回った。もっとも、下値を叩くような売りはみられない。経済活動正常化(リオープン）により、一部業界では新型コロナウイルス流行で落ち込んだ業績が急回復している。ハンセン指数などは一時、プラス圏で推移する場面もみられた。(亜州リサーチ編集部)
　ハンセン指数の構成銘柄では、バイオ製薬・中医薬メーカーの中国生物製薬（1177/HK）が7.0％安、中国民間ガス供給業者の新奥能源HD（2688/HK）が5.5％安、中国インターネット検索最大手の百度集団（9888/HK）が4.1％安と下げが目立った。中国生物製薬については、3月31日に報告した通期決算が失望されている。同社の決算は83％減益で、予想も下回った。
　セクター別では、海上輸送や港湾運営の海運関連が安い。中遠海運能源運輸（1138/HK）が4.4％、中遠海運HD（1919/HK）が3.7％、海豊国際HD（1308/HK）が2.4％、招商局港口HD（144/HK）が5.3％、中遠海運港口（1199/HK）が3.4％ずつ下落した。
　中国発電セクターもさえない。華電国際電力（1071/HK）が5.9％安、華能国際電力（902/HK）が3.2％安、華潤電力HD（836/HK）が2.3％安、中国電力国際発展（2380/HK）が1.6％安で引けた。
　半面、マカオ・カジノは高い。永利澳門（1128/HK）と美高梅中国HD（2282/HK）がそろって7.2％、金沙中国（1928/HK）が5.5％、澳門博彩HD（880/HK）が4.1％ずつ上昇した。マカオ政府は1日、今年3月の域内カジノ売上高が前年同月比246.9％増の127億3800万パタカ（約1740億円）に拡大したと報告。プラス成長は3カ月連続で、増加率は前月の33.1％から大幅上昇した。
　空運セクターもしっかり。中国南方航空（1055/HK）が3.9％高、中国国際航空（753/HK）が3.3％高、中国東方航空（670/HK）と国泰航空（293/HK）がそろって2.3％高と値を上げた。
　一方、本土マーケットは3日続伸。主要指標の上海総合指数は、前営業日比0.56％高の3291.06ポイントで前場取引を終了した。ハイテク株が高い。不動産株、インフラ関連株、エネルギー株、空運株、保険・証券株なども買われた。半面、医薬品株は安い。公益株、素材株、消費関連株、銀行株も売られた。



内容についてのお問い合わせは＜info@ashuir.com＞まで。