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2023/03/10 13:35

香港前場:ハンセン2.5%安で4日続落、上海総合は1.2%下落 無料記事

 10日前場の香港マーケットは、主要76銘柄で構成されるハンセン指数が前日比490.90ポイント(2.46%)安の19434.84ポイントと4日続落し、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が164.47ポイント(2.47%)安の6485.16ポイントと5日続落した。売買代金は765億7710万香港ドルに拡大している(9日は531億1500万香港ドル)。 
 内外環境の不透明感で投資家心理が冷え込む流れ。昨夜の米株安や、中国の景気鈍化が不安材料だ。直近で公表された経済指標の内容を受け、中国国内でも内需回復の遅れが指摘されている。2月の物価統計は予想以上に弱いものとなり、1〜2月の貿易統計では、輸入が前年同期比で予想以上に縮小した。また、昨夜の米株市場では、増資と損失で一部金融株が暴落し、主要株価指数も軒並み下落している。米雇用統計が今夜(日本時間午後10時30分)公表されることも気がかり。今後の米金利動向を占う意味で重要な指標となるためだ。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、中国電子商取引(Eコマース)大手の京東集団(9618/HK)が11.8%安と下げが目立った。同社が公表した10〜12月期決算は前年同期の赤字から黒字に転換したものの、増収率は減速している。ネット株全般に売りが広がり、ハンセン科技(テック)指数は3.6%安と他の指数をアンダーパフォームした(構成する30銘柄は全面安)。
 中国自動車セクターも急落。比亜迪(1211/HK)が7.9%安、理想汽車(2015/HK)が6.9%安、長城汽車(2333/HK)が6.7%安、吉利汽車HD(175/HK)が4.9%安で引けた。電池・自動車メーカーの比亜迪は3月10〜31日にかけて、期間限定の販売促進キャンペーンを実施する。主要モデルなどの値下げが公表されたことで、競争激化の懸念が高まった。足もとでは、主要な自動車メーカーがそろって値引き販売に踏み切っている。
 マカオ・カジノも安い。金沙中国(1928/HK)が5.8%、美高梅中国HD(2282/HK)が5.2%、新濠国際発展(200/HK)が4.8%、永利澳門(1128/HK)が3.3%ずつ下落した。
 非鉄セクターもさえない。江西カン鋒リ業(1772/HK)が4.2%安、新疆新キン鉱業(3833/HK)が3.3%安、五鉱資源(1208/HK)が2.8%安、中国アルミ(2600/HK)が2.7%安で前場取引を終えた。
 他の個別株動向では、生命保険大手のAIAグループ(1299/HK)が4.0%安。同社の通期決算は96%減益だった。増配方針を表明したものの、好感する買いは限定されている。そのほか、上述した京東集団の子会社、京東物流(2618/HK)が6.6%安。同社の通期決算は赤字継続だった。
 一方、本土マーケットは5日続落。主要指標の上海総合指数は、前日比1.15%安の3238.38ポイントで取引を終了した。消費関連株が安い。エネルギー株、不動産株、素材株、インフラ関連株、金融株、医薬品株、ハイテク株なども売られた。



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