週明け27日前場の香港マーケットは、主要80銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比174.34ポイント（0.99％）安の17385.08ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数（旧H株指数）が75.79ポイント（1.25％）安の5965.36ポイントとそろって続落した。売買代金は402億7750万香港ドルとなっている（24日前場は413億420万香港ドル）。
　企業業績の減速が不安視される流れ。朝方公表された今年10月の工業企業利益総額は前年同月比2.7％増にとどまり、伸びは前月の11.9％から大幅鈍化した。影の銀行（シャドーバンキング）の債務問題や、不動産支援策実行に対する不透明感なども依然として漂っている。指数は小高くスタートしたものの、上値は重く、程なくマイナスに転じた。(亜州リサーチ編集部)
　ハンセン指数の構成銘柄では、不動産の下げが目立つ。管理サービスの碧桂園服務HD（6098/HK）が6.6％安、香港デベロッパー大手の新世界発展（17/HK）が6.4％安、中国中堅デベロッパーの龍湖集団HD（960/HK）が5.7％安で引けた。そのほか、主力の本土金融株も軒並み売られている。
　自動車セクターも安い。比亜迪（BYD：1211/HK）が4.2％、小鵬汽車（9868/HK）が3.9％、理想汽車（2015/HK）が3.8％、華晨中国汽車HD（1114/HK）が2.6％ずつ下落した。新エネルギー自動車（NEV）大手のBYDについては、利益率縮小も懸念されている。現地メディアが24日、ディーラー筋の情報として伝えたところによれば、同社は複数モデルの値下げに踏み切った。
　セメントや鉄鋼、非鉄など素材セクターもさえない。華潤水泥HD（1313/HK）が4.2％安、中国建材（3323/HK）が2.7％安、鞍鋼（347/HK）が1.8％安、重慶鋼鉄（1053/HK）が1.3％安、中国宏橋集団（1378/HK）と江西銅業（358/HK）がそろって1.4％安で前場取引を終えた。
　半面、スマートフォンの部材関連はしっかり。瑞声科技HD（2018/HK）が3.9％、高偉電子（1415/HK）が2.6％、舜宇光学科技（2382/HK）が1.1％、丘タイ科技（1478/HK）が0.7％ずつ上昇した。
　一方、本土マーケットも続落。主要指標の上海総合指数は、前営業日比0.76％安の3017.93ポイントで前場の取引を終了した。不動産株が安い。金融株、医薬株、消費関連株、素材株、インフラ関連株なども売られた。半面、エネルギー株は高い。半導体株の一角も買われる。


内容についてのお問い合わせは＜info@ashuir.com＞まで。