12日前場の香港マーケットは、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前日比295.36ポイント（1.73％）安の16799.67ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数（旧H株指数）が89.73ポイント（1.49％）安の5914.24ポイントと続落した。売買代金は571億9110万香港ドルとなっている（11日の前場は518億9930万香港ドル）。
　米長期金利の上昇が嫌気される流れ。3月の米卸売物価指数（PPI）は下振れしたものの、米利下げが後ずれするとの見方に変わりはなく、昨夜の米債券市場では米10年債利回りが昨年中旬以来の高水準を付けた。香港は金融政策で米国に追随するため、域内金利の高止まりも懸念されている。指標発表も気がかり。中国ではきょう12日、3月の貿易統計が報告される予定だ。市場コンセンサスでは、米ドル建ての輸出がプラス5.6％→マイナス1.9％に落ち込むと予想されている。指数は下げ幅を徐々に広げた。(亜州リサーチ編集部)
　ハンセン指数の構成銘柄では、乳製品メーカー中国大手の中国蒙牛乳業（2319/HK）が4.9％安、生命保険業務のAIAグループ（1299/HK）が4.8％安、保険事業で中国2位の中国平安保険（2318/HK）が4.6％安と下げが目立った。
　セクター別では、中国の保険・証券が安い。上記した中国平安保険のほか、中国人寿保険（2628/HK）と新華人寿保険（1336/HK）がそろって3.0％、広発証券（1776/HK）が3.6％、中信証券（6030/HK）が3.1％ずつ下落した。
　中国不動産セクターも売られる。万科企業（2202/HK）が5.6％安、中国海外発展（688/HK）が4.5％安、世茂集団HD（813/HK）が4.4％安、広州富力地産（2777/HK）が3.4％安で前場取引を終えた。
　自動車セクターもさえない。蔚来集団（9866/HK）が5.5％安、中国恒大新能源汽車集団（708/HK）が5.3％安、浙江零ホウ科技（9863/HK）が4.8％安、理想汽車（2015/HK）が3.7％安で引けた。
　半面、産金セクターは高い。霊宝黄金（3330/HK）が7.2％、中国黄金国際資源（2099/HK）が5.2％、招金鉱業（1818/HK）が5.1％、山東黄金鉱業（1787/HK）が3.2％ずつ上昇した。金相場の上昇基調が追い風。中東情勢を巡る地政学リスクの浮上や、中国やインド、新興国の中央銀行が金の保有を増やしていることなどを背景に、金先物価格は最高値圏で推移してる。
　一方、本土マーケットは小反落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.04％安の3033.08ポイントで前場の取引を終了した。不動産株が安い。金融株、食品・酒造株、医薬株、公益株なども売られた。半面、ハイテク株は高い。エネルギー株、自動車株、素材株、海運株、軍事関連株も買われた。



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