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2023/12/18 13:22

香港前場:ハンセン0.9%安で3日ぶり反落、上海総合は0.1%下落 無料記事

 週明け18日前場の香港マーケットは、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比158.21ポイント(0.94%)安の16633.98ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が61.11ポイント(1.07%)安の5639.28ポイントと3日ぶりに反落した。売買代金は489億5500万香港ドルに縮小している(15日前場は664億5840万香港ドル)。
 中国景気の先行きが改めて不安視される流れ。足元では、景気鈍化を示唆する指標が相次いでいる。15日に集中して公表された11月の経済統計は、不動産関連の悪化基調が継続。鉱工業生産や小売売上高の伸びが前月を上回ったものの、アナリストの一部からは、「新型コロナウイルス禍の混乱を受けたベース効果の影響も大きく、中国景気の持ち直しを確認するには至らない」と指摘された。先ごろ公表された11月の消費者物価指数(CPI)がマイナス幅を拡大し、下落率は2020年11月以来、3年ぶりの大きさを記録するなど内需の弱さも際目立っている。また、18日朝方の米債券市場で、米10年債利回りの低下が一服していることもマイナス材料となった。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄は、太陽光発電(PV)用ガラス基板メーカーの信義光能HD(968/HK)とバイオ製薬・中医薬メーカーの中国生物製薬(1177/HK)がそろって5.5%安、乳製品メーカー中国大手の中国蒙牛乳業(2319/HK)が3.9%安と下げが目立っている。
 セクター別では、自動車が安い。小鵬汽車(9868/HK)が4.7%、比亜迪(BYD:1211/HK)が2.7%、浙江零ホウ科技(9863/HK)が2.5%、理想汽車(2015/HK)が1.9%ずつ下落した。
 中国不動産セクターもさえない。華潤置地(1109/HK)が3.2%安、遠洋集団HD(3377/HK)が2.2%安、融創中国HD(1918/HK)が1.9%安、世茂集団HD(813/HK)が1.7%安で引けた。
 他の個別株動向では、人工知能(AI)関連企業で、画像処理ソフト中国最大手の商湯集団(20/HK)が11.9%安。同社は17日、創業者で筆頭株主である湯暁鴎氏(56歳)が15日に死去したことを明らかにした。会社の事業運営は、共同創業者で主席兼CEO(最高経営責任者)の徐立氏などが引き続き行うとしているものの、経営に関する投資家の不安は高まっている。
 半面、海運セクターは急伸。海豊国際HD(1308/HK)が11.0%高、中遠海運HD(1919/HK)が6.1%高、太平洋航運集団(2343/HK)が5.7%高、中遠海運能源運輸(1138/HK)が4.7%高で前場取引を終えた。運賃上昇の思惑が浮上。スエズ運河に通じる紅海を運航する商業船に対し、イエメンの親イラン武装組織フーシ派が攻撃を続けていることを受け、欧州の海運大手がスエズ運河の航行を見合わせると相次ぎ発表した。
 一方、本土マーケットは4日続落。主要指標の上海総合指数は、前営業日比0.13%安の2938.79ポイントで前場の取引を終了した。ハイテク株が安い。素材株、不動産株、インフラ関連株なども売られた。半面、エネルギー株は高い。海運株、公益株、銀行株、医薬株も買われた。



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