15日前場の香港マーケットは、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前日比491.43ポイント（3.00％）高の16893.62ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数（旧H株指数）が181.89ポイント（3.26％）高の5755.42ポイントと大幅続伸した。売買代金は664億5840万香港ドルに拡大している（14日前場は566億3330万香港ドル）。
　内外環境の改善で投資家心理が上向く流れ。米株の高値更新や、中国の景気支援スタンスが好感された。昨夜の米市場では、米利下げ観測が強まる中、主要指標のNYダウが0.4％高と6日続伸し、連日で史上最高値を更新。ほか、フィラデルフィア半導体株指数（SOX）が2.7％上昇し、およそ2年ぶりに最高値を更新した。中国の不動産支援策にも期待感。北京、上海の中国2大都市が14日、不動産市場のテコ入れ策をそろって発表した。また、朝方公表された12月の中期貸出ファシリティ（MLF）金利は予想通り据え置かれたが、資金供給額は予想を大幅に上回っている。また、取引時間中に公表された11月の中国経済統計に関しては、不動産関連など一部を除き、概ね良好。鉱工業生産額の伸びは予想以上に前月から拡大し、小売売上高は予想ほどではなかったものの、増加率が前月を大幅に上回っている。(亜州リサーチ編集部)
　ハンセン指数の構成銘柄は、ほぼ全面高（構成82のうち上昇78）。個別では、電子商取引（Eコマース）大手の京東集団（9618/HK）が9.7％高、自動車ディーラー大手の中升集団HD（881/HK）とアルミ製品の中国宏橋集団（1378/HK）がそろって7.2％高と上げが目立った。
　セクター別では、中国の不動産が高い。融創中国HD（1918/HK）が14.1％、旭輝HD（884/HK）が8.5％、龍湖集団HD（960/HK）が7.1％、中国金茂HD（817/HK）が6.8％ずつ上昇した。
　非鉄やセメントなど素材セクターもしっかり。前記した中国宏橋集団のほか、洛陽モリブデン集団（3993/HK）が5.0％高、中国アルミ（2600/HK）が4.1％高、華潤建材科技HD（1313/HK）が5.6％高、中国建材（3323/HK）が3.4％高で前場取引を終えた。
　主力ネット株も物色される。上記した京東集団のほか、百度集団（9888/HK）が5.1％高、阿里巴巴集団HD（9988/HK）が5.0％高、美団（3690/HK）が4.2％高、騰訊HD（700/HK）が4.1％高と値を上げた。
　一方、本土マーケットは3日ぶりに反発。主要指標の上海総合指数は、前日比0.32％高の2968.49ポイントで前場の取引を終了した。不動産株が高い。消費関連株、素材株、インフラ建設株、金融株、メディア・娯楽株なども買われた。半面、医薬株は安い。ハイテク株、公益株、軍事関連株も売られた。



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