6日の香港マーケットは、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前日比305.41ポイント（1.56％）高の19865.85ポイントと3日ぶりに反発し、本土企業株で構成される中国本土株指数（旧H株指数）も122.42ポイント（1.75％）高の7136.55ポイントと反発した。ハンセン指数は11月11日以来、約4週ぶりの高値水準を回復している。売買代金は1627億8510万香港ドルに拡大した（5日は1093億5940万香港ドル）。
　中国の金融緩和が期待される流れ。6日の中国債券市場では、10年債利回りが連日で過去最低水準を更新して推移している。中国人民銀行（中央銀行）は年内に、預金準備率の引き下げなど追加緩和に踏み切るとの見方も強まる状況だ。また、11〜12日の開催が報じられた中央経済工作会議を前に、今週末〜来週初めにも中央政治局会議が開かれる見通しと伝わっている。本土市場の活性化期待もプラス。上場企業の自社株買いを支援するために導入された融資制度について、中国当局が見直しを行ったもよう――などと前日に伝わった。朝方は弱含む場面がみられたものの、指数は上げ幅を徐々に広げている。(亜州リサーチ編集部)
　ハンセン指数の構成銘柄では、医薬品開発受託機関（CRO）など創薬支援関連の上げが目立つ。無錫薬明康徳新薬開発（2359/HK）が9.2％高、薬明生物技術（2269/HK）が5.5％高で引けた。ほか、指数構成銘柄ではないが、康龍化成（北京）新薬技術（3759/HK）が8.3％高、来凱医薬（2105/HK）が7.9％高、薬明合聯生物技術（2268/HK）が4.4％高と買われている。需要拡大の思惑が浮上。中国企業が多く進出するアフリカのコンゴ民主共和国で最近、インフルエンザに似た原因不明の感染症「疾病X（Disease X）」が流行し、140人超が死亡した可能性があると報じられた。外電によると、コンゴではエムポックス（サル痘）の感染も拡大し、医薬品が不足しているという。
　中国の保険・証券セクターも高い。新華人寿保険（1336/HK）が3.9％、中国太平洋保険集団（2601/HK）が3.6％、中国人寿保険（2628/HK）が2.7％、第一上海投資（227/HK）が3.4％、申万宏源集団（6806/HK）が2.4％ずつ上昇した。
　中国不動産セクターもしっかり。雅居楽集団（3383/HK）が4.9％高、旭輝（884/HK）が4.5％高、広州富力地産（2777/HK）が3.2％高、中国海外発展（688/HK）が1.9％高で取引を終えた。全国展開型デベロッパーの中国海外発展は5日、今年11月の不動産成約額が前年同月比で3割増加したと発表。2カ月連続でプラス成長を達成する中、市況回復の期待も高まった。
　半面、スマートフォン関連はさえない。丘タイ科技（1478/HK）が5.4％、舜宇光学科技（2382/HK）が1.8％、瑞声科技HD（2018/HK）が2.1％、比亜迪電子（BYDエレク：285/HK）が0.6％ずつ下落した。
　本土マーケットは続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比1.05％高の3404.08ポイントで取引を終了した。金融株が相場けん引。医薬株、不動産株、資源・素材株、インフラ関連株、ハイテク株、公益株、運輸株なども買われた。半面、自動車株の一角は売られている。


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