19日前場の香港マーケットは、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前日比64.13ポイント（0.33％）高の19640.74ポイントと続伸し、本土企業株で構成される中国本土株指数（旧H株指数）が16.30ポイント（0.23％）高の7073.40ポイントと3日続伸した。売買代金は633億3810万香港ドルに縮小している（18日前場は785億4550万香港ドル）。
　前日の好地合いを継ぐ流れ。中国経済の回復遅れが警戒される中、景気浮揚のため、当局は追加の対策を打ち出すとの期待が続いた。中国政府系メディアが18日報じたところによれば、財政部は主要インフラプロジェクトの資金需要に対応するため、来年に予定する地方政府の特別債発行枠を一部前倒しで割り当てる。また、複数のブローカーは先ごろ、中国金融当局は11月か12月に預金準備率を再度引き下げるとの見通しを示した。ただ、上値は限定的。自国第一主義を掲げるトランプ次期米大統領の政策で、中国に対する圧力が増すとの不安が依然くすぶっている。(亜州リサーチ編集部)
　ハンセン指数の構成銘柄では、旅行サイト中国大手の携程集団（9961/HK）が5.6％高、産金最大手の紫金鉱業集団（2899/HK）が5.1％高、電子機器製造受託サービス（EMS）中国大手の比亜迪電子（BYDエレクトロニック：285/HK）が4.0％高と上げが目立った。携程集団は好決算が手がかり。同社の7〜9月期決算は、純利益が前年同期比46.6％増の67億6500万人民元（約1440億円）に拡大し、市場予想を上回った。
　セクター別では、組立や部材のスマートフォン関連が高い。比亜迪電子のほか、富智康集団（2038/HK）が5.7％、丘タイ科技（1478/HK）が3.4％、舜宇光学科技（2382/HK）が1.6％ずつ上昇した。
　再生可能エネルギー発電の関連銘柄も物色される。北京能源国際HD（686/HK）が6.7％高、中国水発興業能源集団（750/HK）が4.3％高、信義光能HD（968/HK）が1.6％高で引けた。
　他の個別株動向では、不動産管理サービスの碧桂園服務HD（6098/HK）が3.9％高。自社株買いの実施が支援材料だ。同社が18日に公表したところによると、最大3億3430万株（発行済み株式総数の10％）を市場で買い付ける方針。同社は自社株買いの実施について、会社の長期的な先行きに対する自信を示すもので、会社と株主に利益をもたらすと説明した。同社の自社株買いは2023年9月以来となる。
　半面、医薬セクターはさえない。緑葉製薬集団（2186/HK）が2.6％、康哲薬業HD（867/HK）が1.8％、北京同仁堂科技発展（1666/HK）が1.7％、中国生物製薬（1177/HK）が1.5％ずつ下落した。
　一方、本土マーケットは4日続落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.39％安の3311.01ポイントで前場の取引を終了した。不動産株が安い。エネルギー株、消費関連株、公益株、金融株なども売られた。半面、ハイテク株は高い。医薬株、素材株も買われた。



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