大納会となる12月31日の中国本土マーケットは、主要指標の上海総合指数が前日比55.56ポイント（1.63％）安の3351.76ポイントと4日ぶりに反落した。ただ、年間では12.67％上昇。3年ぶりのプラスとなった（23年は3.70％のマイナス）。
　投資家の慎重スタンスが強まる流れ。トランプ米大統領就任を2025年1月に控える中、対中関税の強化が不安視された。「タリフ（関税）マン」を自称するトランプ氏の公約は、中国からの輸入品に一律60％の関税をかけ、そのほかの国からの輸入品にも10〜20％の関税を課すもの。公約通り高関税をかけた場合、中国経済成長の下押し圧力となる。また、中国の金融政策を見極めたいとするスタンスも買い手控え要因。市場では、年内に預金準備率が引き下げられるとの観測が広がっていた。中国景気の過度な減速懸念が薄らぐ中、朝方は下げ渋る場面がみられたものの、指数は中盤から下げを加速している。寄り付き直後に公表された国家統計局による12月の中国景況感指数に関しては、製造業PMIが50.1となり予想（50.2）をやや下回ったものの、景況判断の境目となる50は3カ月連続で上回った。非製造業PMIは52.2となり、予想（50.2）を大幅に上回っている。(亜州リサーチ編集部)
　業種別では、ハイテクの下げが目立つ。モバイル端末ODM（相手先ブランドによる設計・生産）の華勤技術（603296/SH）が7.7％安、フラッシュメモリー中国大手の北京兆易創新科技（603986/SH）が6.2％安、半導体封止・検査の江蘇長電科技（600584/SH）とフィンテック中国大手の恒生電子（600570/SH）、パワー半導体の杭州士蘭微電子（600460/SH）がそろって4.9％安で引けた。
　不動産株も安い。緑地HD（600606/SH）と信達地産（600657/SH）がそろって4.1％、万業企業（600641/SH）が3.6％、金地集団（600383/SH）が3.5％ずつ下落した。
　証券株もさえない。中信建投証券（601066/SH）が4.5％安、中信証券（600030/SH）が4.4％安、中国銀河証券（601881/SH）が4.3％安、華泰証券（601688/SH）が3.6％安で取引を終えた。医薬株、インフラ関連株、消費関連株、素材株、銀行・保険株なども売られている。
　一方、外貨建てB株相場は、上海B株指数が2.62ポイント（0.97％）安の267.38ポイント、深センB株指数が1.56ポイント（0.13％）安の1213.03ポイントで終了した。


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