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2025/03/05 13:38

香港前場:ハンセン1.7%高で反発、上海総合は0.3%上昇 無料記事

 5日前場の香港マーケットは、主要83銘柄で構成されるハンセン指数が前日比378.59ポイント(1.65%)高の23320.36ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が152.90ポイント(1.83%)高の8520.37ポイントと反発した。売買代金は1351億6130万香港ドルにやや縮小している(4日前場は1569億340万香港ドル)。
 中国経済対策の期待感が相場を支える流れ。各種政策を決定する全国人民代表大会(全人代、国会に相当)は、きょう5日午前9時(日本時間10時)に開幕し、李強・首相が冒頭で読み上げた「政府活動報告」では、今年の国内総生産(GDP)成長率目標を24年と同水準の「5.0%前後」とする方針が示された。財政赤字の比率はGDP比で4.0%とし、昨年に設定した3.0%から引き上げられる。財政出動の拡大も期待できる状況だ。ただ、上値は限定的。米国の高関税政策により、貿易戦争がエスカレートすると懸念されている。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、香港財閥系コングロマリットの長江和記実業(CKハチソン・ホールディングス:1/HK)が21.2%高、宝飾小売チェーン大手の周大福珠宝(1929/HK)が8.3%高、不動産デベロッパー香港大手の長江実業集団(CKアセット・ホールディングス:1113/HK)が4.8%高と上げが目立った。CKハチソンのついては、保有するパナマ運河重要港湾の運営権を売却することで、資産運用世界最大手のブラックロックと合意したことが刺激材料。売却額は228億米ドル(約3兆4174億円)に上り、巨額の売却益を計上する見込みだ。
 セクター別では、半導体セクターが高い。華虹半導体(1347/HK)が4.3%、中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)と英諾賽科(蘇州)科技(2577/HK)がそろって3.5%、ASMPT(522/HK)が2.0%ずつ上昇する。そのほか、車載AIチップの黒芝麻智能国際HD(2533/HK)が10.9%高と値を上げた。産業支援の動きが期待される。今年の「両会」(全国人民代表大会と全国政治協商会議)では、複数の委員が人工知能(AI)の発展に関する提案を行っているようだ。
 建材セクターも物色される。中国建材(3323/HK)が6.8%高、華潤水泥HD(1313/HK)が5.9%高、安徽海螺水泥(914/HK)が5.4%高、中国西部水泥(2233/HK)が4.7%高で引けた。
 中国の銀行・保険セクターもしっかり。交通銀行(3328/HK)が2.9%高、中国工商銀行(1398/HK)と中国農業銀行(1288/HK)がそろって2.4%高、中国太平洋保険(2601/HK)が3.5%高、中国人寿保険(2628/HK)が2.8%高で前場取引を終えた。
 半面、中国の不動産セクターはさえない。雅居楽集団(3383/HK)が4.6%、碧桂園HD(2007/HK)が4.0%、中国奥園集団(3883/HK)が3.6%、華潤置地(1109/HK)が1.5%ずつ下落した。
 一方、本土マーケットは続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.32%高の3334.90ポイントで前場取引を終了した。金融が相場けん引。エネルギー、公益、通信、運輸なども買われた。半面、不動産は安い。医薬、素材、消費関連も売られた。



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