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2025/04/08 17:39

香港大引:ハンセン1.5%高で4日ぶり反発、テック指数3.8%上昇 無料記事

 8日の香港マーケットは、主要83銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比299.38ポイント(1.51%)高の20127.68ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が167.90ポイント(2.31%)高の7430.62ポイントと4日ぶりに反発した。売買代金は4331億5670万香港ドルと高水準。前日の7日は6208億9770万香港ドルに拡大し、過去最多を記録していた。
 自律反発狙いの買いが先行する流れ。ハンセン指数はこのところ急ピッチに下落し、前日は過去最大の下落幅(3021.51ポイント)を記録していた。中国の経済対策や当局の市場支援スタンスが強まっていることもプラス。ゴールドマン・サックスは最新リポートで、米高関税政策に対応するため、中国政府は景気対策を加速する見通しとの見解を示した。また、中国人民銀行(中央銀行)の報道官は8日、政府系投資会社(SWF)の中央匯金投資による株価買い支えについて、必要に応じて十分に資金支援するという方針を示している。「国家隊」と呼ばれるSWFの一角、中央匯金投資は7日、上場投資信託(ETF)を買い増したことを明らかにした。
 ただ、上値は限定的。米中対立の激化が不安視されている。米政権の「相互関税」に対抗する形で、中国政府が34%の対米関税賦課など対抗措置を打ち出したことに関し、トランプ米大統領は7日、「中国は4月8日までに関税を撤回しない場合、米国はさらに50%の対中追加関税を課す」と自身のSNSで表明した。ハンセン指数は一時、マイナス圏に沈んでいる。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、宝飾小売チェーン大手の周大福珠宝(1929/HK)が9.1%高、中国電子商取引(Eコマース)大手の京東集団(JDドットコム:9618/HK)が8.9%高、中国オンラインゲーム大手の網易(ネットイース:9999/HK)が7.5%高と上げが目立った。テック銘柄に買いが広がる中、ハンセン科技(テック)指数は3.8%高と他の主要指数をアウトパフォームしている(構成30銘柄のうち上昇28)。
 自動車セクターも高い。浙江零ホウ科技(9863/HK)が12.6%、蔚来集団(9866/HK)が5.5%、比亜迪(BYD:1211/HK)が4.8%、吉利汽車HD(175/HK)が4.0%ずつ上昇した。BYDについては、2025年第1四半期の86〜119%増益見通しも材料視されている。新エネルギー自動車(NEV)の販売台数が同期の過去最多を記録した。
 半導体やクラウド、ロボットなどの銘柄群も急伸。英諾賽科(蘇州)科技(2577/HK)が12.7%高、上海復旦微電子集団(1385/HK)が5.5%高、金山雲HD(3896/HK)が12.1%高、微盟集団(2013/HK)が5.8%高、深セン市越疆科技(2432/HK)が22.1%高、深セン市優必選科技(9880/HK)が7.9%高で引けた。
 消費セクターも物色される。食肉の中糧家佳康食品(1610/HK)が9.2%高、粉ミルクの中国飛鶴(6186/HK)が8.8%高、酒造の青島ビール(168/HK)が6.0%高、乳製品の中国蒙牛乳業(2319/HK)が5.2%高、ハイパーマーケットの高キン零售(6808/HK)が5.0%高、フィギュア・玩具の泡泡瑪特国際集団(ポップ・マート:9992/HK)が4.9%高で取引を終えた。
 半面、医薬品開発受託機関(CRO)など創薬支援関連はさえない。無錫薬明康徳新薬開発(2359/HK)が4.4%、薬明合聯生物技術(2268/HK)が3.2%、薬明生物技術(2269/HK)が2.5%ずつ下落した。CRO各社は米国事業を抱えているため、業績悪化の懸念が改めて意識されている。
 本土マーケットは3日ぶりに反発。主要指標の上海総合指数は、前日比1.58%高の3145.55ポイントで取引を終了した。消費関連が高い。不動産、公益、金融、医薬、運輸、資源・素材なども買われた。半面、ハイテク株の一角は急落。自動車やインフラ建設の一角も下げた。



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