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2025/01/17 17:30

香港大引:ハンセン0.3%高で4日続伸、半導体株が上昇 無料記事

 17日の香港マーケットは、主要83銘柄で構成されるハンセン指数が前日比61.17ポイント(0.31%)高の19584.06ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が10.05ポイント(0.14%)高の7108.81ポイントと4日続伸した。ハンセン指数は今月6日以来、約2週ぶりの高値。売買代金は1222億7200万香港ドルに縮小している(16日は1423億720万香港ドル)。
 中国景気の過度な減速懸念が薄らぐ流れ。取引時間中に公表された2024年の中国GDP成長率は前年比5.0%で着地。市場予想(4.9%)を上回り、政府目標の「5%前後」を達成した。12月の各種統計でも、小売売上高や鉱工業生産などが上振れている。また、米利下げ期待が高まる中、米債券市場で米10年債利回りの低下が続いていることも引き続き材料視された。ただ、上値は重い。トランプ次期米大統領の就任式を来週20日に控える中、政策動向を見極めたいとのムードが強まった。また、米政権がこのところ、中国を念頭に通商上の規制を相次ぎ打ち出していることも懸念材料。ハンセン指数は安く推移する場面も見られた。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、ICファウンドリー中国最大手の中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)が9.6%高、アルミ加工の中国宏橋集団(1378/HK)が5.1%高、Eコマース大手の京東集団(9618/HK)が4.7%高と上げが目立った。
 セクター別では、半導体が高い。SMICのほか、晶門半導体(2878/HK)が5.2%、華虹半導体(1347/HK)が4.9%、ASMPT(522/HK)が3.2%ずつ上昇した。中国商務部は16日、米国製の非先端半導体に対し、反ダンピング(不当廉売)・反補助金調査を開始すると発表。米国の規制強化に対抗した措置だ。米国との半導体摩擦が続くなか、中国政府は国産化支援をさらに本格化させる見通し。
 食品や飲料など、中国の内需関連も堅調。康師傅HD(322/HK)が3.7%高、百威亜太HD(1876/HK)が1.8%高、中国蒙牛乳業(2319/HK)が1.7%高、華潤ビール(291/HK)が1.5%高で引けた。
 半面、中国の銀行セクターはさえない。中国工商銀行(1398/HK)が1.6%、中国建設銀行(939/HK)が1.5%、中国農業銀行(1288/HK)が1.4%、交通銀行(3328/HK)が0.8%ずつ下落した。
 また、中国デベロッパー大手の万科企業(2202/HK)が3.1%下落。祝九勝・総裁兼CEO(最高経営責任者)が15日、公安当局によって拘束された――との情報が伝わった。深セン市政府が同社の経営を監督するために介入しており、今後、政府による経営権取得や再編の可能性があると報じられている。
 一方、本土マーケットは続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.18%高の3241.82ポイントで取引を終了した。ハイテクが高い。不動産、食品、素材、医薬なども買われた。半面、エネルギーは安い。公益、銀行も売られた。


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