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2021/03/24 13:32

香港前場:ハンセン1.9%安で4日続落、上海総合は1.2%下落 無料記事

 24日前場の香港マーケットは、主要55銘柄で構成されるハンセン指数が前日比542.86ポイント(1.90%)安の27954.52ポイントと4日続落し、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)も242.41ポイント(2.18%)安の10868.77ポイントと続落した。半日の売買代金は1042億8600万香港ドルにやや拡大している(22日の前場は931億5700万香港ドル)。
 投資家心理が悪化する流れ。香港政府は24日、独ビオンテック製の新型コロナウイルス感染症ワクチン「Comirnaty」について、「パッケージに不具合が見つかった」との通知を受けたため接種を一時停止すると発表した。マカオでも同様に一時停止している。世界経済の回復遅れも懸念。メルケル独首相は23日、コロナ感染拡大を阻止するため、ロックダウン(都市封鎖)を4月18日まで延長すると発表した。すでにフランスも首都圏でロックダウンを再導入している。また米国では、新規感染者数の減少ペースが鈍り、半数近くの州で増加に転じている状況だ。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、民間自動車メーカーの吉利汽車HD(175/HK)が13.3%安、光学部品メーカーの舜宇光学科技(2382/HK)が5.7%安、不動産投資会社の九龍倉置業地産投資(1997/HK)が5.2%安と下げが目立った。吉利汽車に関しては、決算内容の下振れに加え、上海「科創板」重複上場計画の難航観測が引き続き売り材料視されている(前日は6.6%安)。
 セクター別では、海運・空運が安い。中遠海運HD(1919/HK)が11.6%、太平洋航運集団(2343/HK)が10.4%、東方海外(オリエント・オーバーシーズ:316/HK)が5.9%、中遠海運能源運輸(1138/HK)が4.3%、中国南方航空(1055/HK)が6.1%、中国国際航空(753/HK)が5.5%、中国東方航空(670/HK)が5.0%、国泰航空(キャセイ航空:293/HK)が3.4%ずつ下落した。
 非鉄セクターも急落。中国アルミ(チャルコ:2600/HK)が8.9%安、江西銅業(358/HK)が7.7%安、江西カン鋒リ業(ガンフェン・リチウム:1772/HK)が6.9%安、洛陽モリブデン集団(3993/HK)が5.4%安、新疆新キン鉱業(3833/HK)が5.2%安と値を下げた。商品市況安が重荷。この日の上海期貨交易所(上海商品先物取引所)では、銅やアルミなどの先物が安く推移した。
 スマートフォン部材・組立てや半導体の銘柄群もさえない。上記した舜宇光学科技のほか、丘タイ科技(Qテクノロジー:1478/HK)が4.2%安、高偉電子(1415/HK)が3.9%安、富智康集団(FIHモバイル:2038/HK)が3.4%安、瑞声科技HD(AACテクノロジーズ・ホールディングス:2018/HK)が3.1%安、小米集団(シャオミ・コーポレーション:1810/HK)が2.7%安、上海復旦微電子集団(1385/HK)が4.3%安、中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)が3.7%安、華虹半導体(1347/HK)が3.0%安で取引を終えた。
 半面、天然ガス関連の銘柄はしっかり。昆侖能源(クンルン・エナジー:135/HK)が6.1%、中国燃気HD(中国ガス:384/HK)と港華燃気(タウンガス・チャイナ:1083/HK)がそろって2.3%、新奥能源HD(ENNエナジー:2688/HK)が1.1%ずつ上昇した。昆侖能源が公表した通期決算では、9.2%の増益率を達成し、市場予想を上回っている。その上で、特別配当の実施方針も決めた。
 一方、本土マーケットは続落。主要指標の上海総合指数は、前日比1.22%安の3369.78ポイントで取引を終了した。素材株が安い。運輸株、インフラ関連株、不動産株、自動車株、ハイテク株、銀行・保険株なども売られた。半面、食品飲料株は高い。証券株、ヘルスケア株の一角も買われた。


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