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2021/03/29 13:37

香港前場:ハンセン0.3%高で続伸、上海総合は0.8%上昇 無料記事

 週明け29日前場の香港マーケットは、主要55銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比94.92ポイント(0.33%)高の28431.35ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が22.11ポイント(0.20%)高の10988.17ポイントとそろって続伸した。半日の売買代金は1042億3800万香港ドルとなっている(26日前場は994億5500万香港ドル)。
 内外の景気先行きが楽観される流れ。米国では新型コロナウイルスのワクチン接種が進み、経済活動の正常化が早まると予測されている。先週末の米株市場では、景気期待で主要指標のNYダウなどが史上最高値を更新した。主要な中国企業の決算発表が終盤に入った香港では、増益や増配を明らかにする企業が相次いでいる。また、中国本土では先週から、預金準備率の引き下げ観測が浮上した。
 ただ、中国と西側諸国の対立が警戒される中で上値は重い。中国外交部は27日、新疆ウイグル自治区の少数民族に対する人権問題を巡り、制裁措置を打ち出した各国に対し、対抗措置を講じると発表した。米国とカナダの関係者に制裁を科す。指数は朝方、安く推移する場面もみられた。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、中国中堅デベロッパーの龍湖集団HD(960/HK)が6.1%高と続伸。26日昼に公表した通期決算の内容が引き続き材料視されている。純利益は9.1%増加。期末配当は前年の0.84人民元を上回る1.03人民元を予定する。そのほか、全国展開型デベロッパーの中国海外発展(688/HK)が5.6%高、石油・化学大手の中国石油化工(サイノペック:386/HK)は5.5%高と上げが目立った。サイノペックの通期決算は42%減益だったが、今年1〜3月期は黒字転換の見通しを示している。
 セクター別では、中国の不動産が高い。上記した龍湖集団や中国海外発展のほか、華潤置地(1109/HK)が5.1%、中国恒大集団(3333/HK)と合景泰富地産HD(1813/HK)がそろって5.0%、融創中国HD(1918/HK)が4.6%、万科企業(2202/HK)が3.9%ずつ上昇した。
 石炭セクターも急伸。エン州煤業(1171/HK)が17.9%高、中国神華能源(1088/HK)が10.5%高、中国中煤能源(1898/HK)が6.9%高で引けた。エン州煤業の通期決算は33%減益だったが、期末配当の増額と特別配当の実施が予定されている。中国神華能源の決算は14%減益。期末配当は、前年から大幅に増額された。
 ゼネコンや建材、建機などインフラ建設関連も物色される。中国中鉄(390/HK)が2.5%高、中国交通建設(1800/HK)が1.6%高、中国鉄建(1186/HK)が1.4%高、中国建材(3323/HK)が6.0%高、中国西部水泥(西部セメント:2233/HK)が5.6%高、安徽海螺水泥(安徽コンチセメント:914/HK)が3.6%高、中国龍工HD(3339/HK)が7.2%高、中聯重科(1157/HK)が4.7%高で前場取引を終えた。中国龍工に関しては、増益と増配を発表したことが引き続き好感されている。約2年9カ月ぶりの高値水準を回復した。
 半面、業績が低迷した銘柄群の一角はさえない。減益決算を報告した銘柄では、美団(メイトゥアン:3690/HK)が7.4%安、慶鈴汽車(チンリン・モータース:1122/HK)が5.6%安、粤海投資(広東インベストメント:270/HK)が5.3%安、中国太平洋保険集団(2601/HK)が1.1%安と値を下げた。飲食ポータルサイトの美団は、四半期ベースで赤字が続いている。
 一方、本土マーケットは続伸。主要指標の上海総合指数は、前営業日比0.79%高の3445.40ポイントで取引を終了した。銀行株が相場をけん引する。石炭・石油株、食品飲料株、公益株、素材株、医薬品株、証券株、半導体株なども買われた。半面、自動車株は安い。不動産株、保険株、海運株も売られた。


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