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2021/01/25 13:29

香港前場:ハンセン2.1%高で3日ぶり反発、上海総合は0.6%上昇 無料記事

 週明け25日前場の香港マーケットは値上がり。主要52銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比609.16ポイント(2.07%)高の30057.01ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が261.92ポイント(2.24%)高の11939.37ポイントとそろって3日ぶりに反発した。「ニューエコノミー」関連で構成されるハンセン科技指数は4.1%高。指数算出以来の高値を更新した。半日の売買代金は1586億9900万香港ドルとなっている(22日の前場は1414億7200万香港ドル)。
 「巣ごもり消費」の盛り上がりが意識される流れ。春節(旧正月:2月11〜17日)の大型連休を控える中、ヒトの移動による新型コロナウイルス感染拡大を防ぐため、各都市では帰省の自粛要請が相次ぐ状況だ。複数の都市で、他地域出身者による春節前後の帰省を引き留めるための補助金支給策などが発表されている。(亜州リサーチ編集部)
 「ニューエコノミー」関連銘柄が相場をけん引。ハンセン指数の構成銘柄では、インターネットサービス中国最大手の騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)が8.3%高、飲食ポータルサイトの美団(メイトゥアン:3690/HK)が5.5%高、電子商取引(Eコマース)中国最大手の阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK)が3.8%高と上げが目立った(テンセントと美団は上場来高値を更新)。ハンセン指数の上昇寄与度は、上記3銘柄で429ポイントに達している。
 そのほか、取引所運営の香港交易所(香港証券取引所:388/HK)が6.7%高と急反発し、最高値を更新した。市場活性化の期待が高まっている。ショート動画投稿アプリを手掛けるスーパー・ユニコーン「快手(クアイショウ)」について、今週にも香港でIPO(新規株式公開)の公募が始まると伝わった。2019年9月に上場した百威亜太HD(バドワイザーAPAC:1876/HK)以来の規模となる可能性があり、報道によれば、応募者数が過去最多になるとの見方も広がっている(同社にはテンセントも出資)。
 非鉄やレアアースなどの銘柄群も急伸。洛陽モリブデン集団(3993/HK)が8.4%高、中国稀土HD(チャイナ・レア・アース:769/HK)が7.6%高、江西カン鋒リ業(ガンフェン・リチウム:1772/HK)が5.2%高、五鉱資源(ミンメタルズ・リソーシズ:1208/HK)が4.5%高、新疆新キン鉱業(3833/HK)が4.2%高金川集団国際資源(2362/HK)が2.9%高で引けた(江西カン鋒リ業は最高値更新)。
 太陽光や風力などエコ発電関連の銘柄群も物色される。陽光能源HD(757/HK)が22.4%高、保利協シン能源HD(GCLポリー・エナジー:3800/HK)が19.5%高、中国水発興業能源集団(旧社名・中国興業太陽能技術HD:750/HK)が5.2%高、新疆金風科技(2208/HK)が3.2%高で前場取引を終えた(金風は最高値更新)。中国や米国、欧州など世界的に気候変動対策が注目されている。習近平・国家主席は20年9月、CO2排出量と除去量を差し引きゼロにする「カーボンニュートラル」を60年までに実現するとの目標を掲げた。30年までにCO2排出量をピークアウトさせ、減少に転じさせることを目指すとしている。
 他の個別株動向では、電気自動車(EV)メーカーの中国恒大新能源汽車集団(恒大汽車:708/HK)が60.2%高と急騰し、最高値を更新した。同社は第3者割当増資を発表。EVの研究開発や債務返済に充てるという。
 半面、本土系不動産セクターはさえない。融創中国HD(1918/HK)が3.0%安、合景泰富地産HD(1813/HK)が2.9%安、中国海外発展(688/HK)が2.0%安、世茂集団HD(813/HK)が1.9%安、華潤置地(1109/HK)が1.5%安と値を下げた。
 一方、本土マーケットは反発。主要指標の上海総合指数は、前営業日比0.56%高の3627.01ポイントで前場の取引を終了した。食品飲料株が高い。自動車株、小売株、素材株、医薬品株、空運株、ハイテク株の一角なども買われた。半面、不動産株は安い。金融株、エネルギー株、公益株も売られた。


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