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2022/01/10 16:31

中国大引:上海総合0.4%高で5日ぶり反発、不動産と医薬に買い 無料記事

 週明け10日の中国本土マーケットは、主要指標の上海総合指数が前営業日比13.98ポイント(0.39%)高の3593.52ポイント(上海A株指数は0.39%高の3766.03ポイント)と5日ぶりに反発した。
 中国経済対策の期待感が相場を支える流れ。国内景気の鈍化懸念がくすぶる中、当局は景気テコ入れに動くとの見方が広がっている。先週は、デベロッパーに対する融資規制が緩和されるとの観測が流れた。資金繰り難の不動産企業は、国有企業などに資産売却をしやすくなる。ただ、上値は重い。新型コロナウイルス感染拡大の影響が懸念されている。北京市に隣接する天津市では、新型コロナ変異ウイルス(オミクロン)の感染者が初めて確認され、9日から約1400万人(東京都の人口に匹敵)の市民を対象にPCR検査が始まった。感染が集中した地区では、ロックダウン(都市封鎖)が導入され、工場などの一時操業停止も余儀なくされている。(亜州リサーチ編集部)
 業種別では、不動産の上げが目立つ。上海世茂(600823/SH)がストップ高、新城控股集団(601155/SH)が4.6%高、保利発展(600048/SH)が2.0%高で引けた。上海世茂を巡っては、親会社の世茂集団HD(813/HK)が住宅、商業施設を含む全国各地の不動産プロジェクトを売却する方針――と伝えられている。同社グループの資金繰り改善が期待された。また、現地メディアは8日、「広東省政府が複数の不動産デベロッパーを招集し、会議を開いたもよう」と消息筋情報として報道。同会議には、保利発展なども参加したようだ。
 医薬品株も高い。天士力医薬集団(600535/SH)が3.1%、上海復星医薬集団(600196/SH)が3.0%、薬明康徳(603259/SH)が2.9%ずつ上昇した。インフラ建設関連株、資源・素材株、消費関連株、金融株の一角なども買われている。
 そのほか、上海市場のハイテク企業向け市場「科創板」では、ウイルス感染の試薬メーカーが急伸。安旭生物(688075/SH)と奥泰生物(688606/SH)がそろって20.0%高(ストップ高)、東方生物(688298/SH)が9.7%高で取引を終えた。製品特需で業績が上向くと連想されている。コロナ感染増を受け、各社は増産に対応するため人員を増強していると伝わった。
 半面、発電株は安い。華能国際電力(600011/SH)が3.6%、華電国際電力(600027/SH)が2.4%、上海電力(600021/SH)が2.1%ずつ下落した。半導体株、海運株も売られている。
 一方、外貨建てB株相場は、上海B株指数が0.80ポイント(0.28%)高の287.44ポイント、深センB株指数が2.16ポイント(0.18%)高の1180.23ポイントで終了した。


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