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2025/11/10 09:04 NEW!!

神経質な値動きか、好悪材料が入り混じる 無料記事

◆週明け10日の香港マーケットは、好悪材料が入り混じる中で神経質な値動きか。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境は改善しつつある。懸念されている米政府機関の一部閉鎖に関し、ようやく解除に向けた動きが進展するとの観測が強まった。米政府閉鎖が40日目となる9日、上院共和党トップのスーン院内総務は事態打開に向けた(与野党)合意が「まとまりつつある」と述べている。法案審議の手続きに関する採決は同日中に行われる見通しだ。政府機関閉鎖による影響は、航空便の混乱や食糧支援の遅延など広範な国民に影響を与えている。
 米中貿易戦争の休戦もプラス。米中両政府は10日午後(日本時間)、互いにかけた追加関税を引き下げる。そのほか、米国は中国船などに対する入港料の徴収も10日から1年間延期。中国はガリウムやゲルマニウムなどレアメタル(希少金属)の米向け禁輸措置を停止する。
 先週末7日の米株市場はまちまち。主要指標のNYダウが前日比0.2%高と反発する半面、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.2%安と続落している。米政府機関閉鎖の解除に向けた動きは支えとなったが、米金融政策の不透明感が重しとなった。足もとでは、米連邦準備理事会(FRB)高官が相次ぎ追加利下げに慎重な発言をしている。
 中国銘柄はさえない。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は1.0%安と続落した。主要な香港との重複上場銘柄では、文遠知行(ウィーライド:WRD/NASDAQ、800/HK)が6.7%安、小鵬汽車(エックスポン:XPEV/NYSE、9868/HK)が6.1%安、小馬智行(ポニーAI::PONY/NASDAQ、2026/HK)が5.3%安、蔚来汽車(NIO/NYSE、9866/HK)が4.2%安と下げが目立っている。
 内部環境は不透明。中国経済の鈍化懸念がくすぶっている。先週7日に公表された10月の貿易統計では、米ドル建て輸出が予想外のマイナスに落ち込んだ。それより先に報告された月次の経済統計でも、中国景気の鈍化を示す内容が相次いでいる。一方、9日に公表された物価統計では、消費者物価指数(CPI)が前年同期比プラス0.2%となり、9月のマイナス0.3%から上昇に転じた。大型連休による旅行や食品の需要が押し上げたと分析されている。ただ、デフレ圧力が弱まったとの判断は時期尚早との見方もあり、今後の統計結果を見極めたいとするスタンスも継続する状況だ。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として神経質な値動きか。好材料と悪材料が交錯している。米中貿易戦争の休戦などプラス材料はあるが、中国経済の鈍化懸念が相場の足かせとなろう。
 なお今週は騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)や京東集団(JDドットコム:9618/HK)、中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)など主力テック企業が四半期決算を報告する。業績動向に注目が集まりそうだ。



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