2025/12/19 08:51 NEW!!
しっかりか、米追加利下げ期待が支えに 
◆19日の香港マーケットは、米利下げ期待でしっかりか。(亜州リサーチ編集部)
外部環境はややポジティブ。米インフレの低下を受け、米追加利下げの期待が高まっている。18日に公表された11月の米消費者物価指数(CPI)に関しては、上昇率が市場予想を下回り、7月以来の低水準となった。連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ指標として重視する食品・エネルギー価格を除いたコアCPIの上昇率も予想を下回り、21年3月以来の低い伸びにとどまっている。市場関係者からは1月の追加利下げの可能性も指摘され、18日の米債券市場では長期金利の指標となる10年債利回りが低下に転じた(債券価格は上昇)。欧州や米国の株式市場でも、主要株価指数が軒並み上昇している。
米株市場の株価指数では、主要指標のNYダウが前日比0.1%高と5日ぶりに反発し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が1.4%高と急反発した。CPIの低下に加え、人工知能(AI)投資の不透明感がやや後退し、投資家心理を上向かせている。米半導体大手マイクロンが17日、第1四半期(9月〜11月)の決算を発表。売上高と予想が予想を上回った。第2四半期の調整後1株利益見通しについても予想を大幅に上回り、AIデータセンターの需要が拡大していると楽観された。マイクロンの株価は10.1%高と急伸している。
中国銘柄もしっかり。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は1.0%高と6日ぶりに反発している。主要な香港との重複上場銘柄では、小鵬汽車(エックスポン:XPEV/NYSE、9868/HK)が2.8%高、禾賽科技(ヘサイ・グループ:HSAI/NASDAQ、2525/HK)が2.7%高、万国数拠HD(GDS/NASDAQ、9698/HK)が2.3%高と上げが目立った。
一方、内部環境に新規の取引材料は乏しい。中国では月次経済統計の発表を消化し、次の重要指標は年末31日に公表される12月の製造業PMIと非製造業PMIとなる。また、香港市場は来週、クリスマス休暇で25日と26日が休場だ(24日は半日商い)。ただ、中国の政策に対する期待感が持続していることや、「国家隊」と呼ばれる政府系ファンドなどの資金流入観測などはプラス材料となる。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体としてしっかりとした展開か。米追加利下げの期待が中国株マーケットでも追い風となろう。香港は金融政策で米国に追随するため、域内金利の低下も期待される。また、米中金利差を背景に、中国本土でも緩和余地が広がるとの期待が広がりそうだ。
ただ、落ち着いていた米中関係に悪化の兆しが再浮上していることには注意したい。トランプ米政権が17日、台湾に対し総額111億米ドル(約1兆7000億円)と最大規模に上る新たな武器売却を決めた。中国外交部は18日に記者会見で、「一つの中国」原則に違反しているとして、強く非難している。そのほか、高市早苗首相の台湾有事を巡る国会答弁に反発し、中国が日本に圧力をかける中、米上院の与野党議員は17日、日本を支持する決議案を提出した。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。
外部環境はややポジティブ。米インフレの低下を受け、米追加利下げの期待が高まっている。18日に公表された11月の米消費者物価指数(CPI)に関しては、上昇率が市場予想を下回り、7月以来の低水準となった。連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ指標として重視する食品・エネルギー価格を除いたコアCPIの上昇率も予想を下回り、21年3月以来の低い伸びにとどまっている。市場関係者からは1月の追加利下げの可能性も指摘され、18日の米債券市場では長期金利の指標となる10年債利回りが低下に転じた(債券価格は上昇)。欧州や米国の株式市場でも、主要株価指数が軒並み上昇している。
米株市場の株価指数では、主要指標のNYダウが前日比0.1%高と5日ぶりに反発し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が1.4%高と急反発した。CPIの低下に加え、人工知能(AI)投資の不透明感がやや後退し、投資家心理を上向かせている。米半導体大手マイクロンが17日、第1四半期(9月〜11月)の決算を発表。売上高と予想が予想を上回った。第2四半期の調整後1株利益見通しについても予想を大幅に上回り、AIデータセンターの需要が拡大していると楽観された。マイクロンの株価は10.1%高と急伸している。
中国銘柄もしっかり。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は1.0%高と6日ぶりに反発している。主要な香港との重複上場銘柄では、小鵬汽車(エックスポン:XPEV/NYSE、9868/HK)が2.8%高、禾賽科技(ヘサイ・グループ:HSAI/NASDAQ、2525/HK)が2.7%高、万国数拠HD(GDS/NASDAQ、9698/HK)が2.3%高と上げが目立った。
一方、内部環境に新規の取引材料は乏しい。中国では月次経済統計の発表を消化し、次の重要指標は年末31日に公表される12月の製造業PMIと非製造業PMIとなる。また、香港市場は来週、クリスマス休暇で25日と26日が休場だ(24日は半日商い)。ただ、中国の政策に対する期待感が持続していることや、「国家隊」と呼ばれる政府系ファンドなどの資金流入観測などはプラス材料となる。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体としてしっかりとした展開か。米追加利下げの期待が中国株マーケットでも追い風となろう。香港は金融政策で米国に追随するため、域内金利の低下も期待される。また、米中金利差を背景に、中国本土でも緩和余地が広がるとの期待が広がりそうだ。
ただ、落ち着いていた米中関係に悪化の兆しが再浮上していることには注意したい。トランプ米政権が17日、台湾に対し総額111億米ドル(約1兆7000億円)と最大規模に上る新たな武器売却を決めた。中国外交部は18日に記者会見で、「一つの中国」原則に違反しているとして、強く非難している。そのほか、高市早苗首相の台湾有事を巡る国会答弁に反発し、中国が日本に圧力をかける中、米上院の与野党議員は17日、日本を支持する決議案を提出した。
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