2025/11/07 09:07 NEW!!
上値の重い展開か、米株安が逆風に 
◆7日の香港マーケットは、米株安で上値の重い展開か。(亜州リサーチ編集部)
外部環境は再び悪化。米景気懸念と米金融政策の不透明感が改めて意識され、6日の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比0.8%安、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が1.9%安とそろって反落した。米政府機関の一部閉鎖で政府統計の発表が見送られる中、民間の統計では雇用情勢の減速が示されている。米調査会社が6日公表した米10月チャレンジャー人員削減数は前年同期比で175.3%増加し、9月の25.8%減からプラスに転じた。また、米雇用の減速懸念を受け、米債券市場では長期金利の指標となる10年債利回りが低下したものの(債券価格は反発)、金融関係者からは追加利下げに消極的な発言が相次いでいる。米シカゴ連銀のグールズビー総裁は6日、インフレ動向が見通せないとして「追加利下げに慎重になっている」との姿勢を示し、米クリーブランド連銀のハマック総裁は「労働市場の弱さよりインフレの方が大きなリスクだ」と述べた。
中国銘柄も小安い。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は0.03%安と小反落した。主要な香港との重複上場銘柄では、小馬智行(ポニーAI::PONY/NASDAQ、2026/HK)が8.8%安、文遠知行(ウィーライド:WRD/NASDAQ、800/HK)が3.9%安、禾賽科技(ヘサイ・グループ:HSAI/NASDAQ、2525/HK)が2.8%安、蔚来汽車(NIO/NYSE、9866/HK)が1.8%安と下げが目立っている。自動運転の小馬智行と文遠知行は6日、香港市場に重複上場し、初値は小馬智行が公募価格比10.8%安、文遠知行が7.8%安とさえないデビューだった。
内部環境に新規の取引材料は乏しい。経済動向や企業業績が気がかりだ。中国では来週にかけ10月経済指標が相次いで公表される。7日は貿易統計、9日は物価統計、14日は小売売上高や鉱工業生産など。金融統計も15日までに発表される。そのほか、来週は騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)や京東集団(JDドットコム:9618/HK)、中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)など主力テック企業が四半期決算を報告する予定だ。なお、きょう発表の貿易統計に関しては、米ドル建て輸出が前月の8.3%増から2.9%増、米ドル建て輸入が7.4%増から2.7%増に伸びが減速するとの予想がコンセンサスだ。
ただ、中国経済対策の期待感は持続。当局は景気下支えのため、年内に政策金利や預金準備率を引き下げるとの観測も強まる状況だ。また、中国株の注目度が高まるとの期待もある。MSCIが5日(日本時間6日)、四半期ごとの指数見直しによるMSCIグローバルスタンダード指数の構成銘柄に、中国企業26社を新規採用し、20社を除外したことを明らかにした。差し引きで増加するのはおよそ2年ぶりとなる。新規採用されたうち、香港上場する主要銘柄の前日取引では、華虹半導体(ファホンセミコンダクター:1347/HK)が9.1%高、江西カン鋒リ業(ガンフェン・リチウム:1772/HK)が6.1%高、江西金力永磁科技(JLマグ・レアアース:6680/HK)が3.9%高と上げが目立った。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。中国の経済動向や企業業績を見極めたいとするスタンスが強まっているほか、昨夜の米株安が投資家心理を冷やしそうだ。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。
外部環境は再び悪化。米景気懸念と米金融政策の不透明感が改めて意識され、6日の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比0.8%安、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が1.9%安とそろって反落した。米政府機関の一部閉鎖で政府統計の発表が見送られる中、民間の統計では雇用情勢の減速が示されている。米調査会社が6日公表した米10月チャレンジャー人員削減数は前年同期比で175.3%増加し、9月の25.8%減からプラスに転じた。また、米雇用の減速懸念を受け、米債券市場では長期金利の指標となる10年債利回りが低下したものの(債券価格は反発)、金融関係者からは追加利下げに消極的な発言が相次いでいる。米シカゴ連銀のグールズビー総裁は6日、インフレ動向が見通せないとして「追加利下げに慎重になっている」との姿勢を示し、米クリーブランド連銀のハマック総裁は「労働市場の弱さよりインフレの方が大きなリスクだ」と述べた。
中国銘柄も小安い。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は0.03%安と小反落した。主要な香港との重複上場銘柄では、小馬智行(ポニーAI::PONY/NASDAQ、2026/HK)が8.8%安、文遠知行(ウィーライド:WRD/NASDAQ、800/HK)が3.9%安、禾賽科技(ヘサイ・グループ:HSAI/NASDAQ、2525/HK)が2.8%安、蔚来汽車(NIO/NYSE、9866/HK)が1.8%安と下げが目立っている。自動運転の小馬智行と文遠知行は6日、香港市場に重複上場し、初値は小馬智行が公募価格比10.8%安、文遠知行が7.8%安とさえないデビューだった。
内部環境に新規の取引材料は乏しい。経済動向や企業業績が気がかりだ。中国では来週にかけ10月経済指標が相次いで公表される。7日は貿易統計、9日は物価統計、14日は小売売上高や鉱工業生産など。金融統計も15日までに発表される。そのほか、来週は騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)や京東集団(JDドットコム:9618/HK)、中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)など主力テック企業が四半期決算を報告する予定だ。なお、きょう発表の貿易統計に関しては、米ドル建て輸出が前月の8.3%増から2.9%増、米ドル建て輸入が7.4%増から2.7%増に伸びが減速するとの予想がコンセンサスだ。
ただ、中国経済対策の期待感は持続。当局は景気下支えのため、年内に政策金利や預金準備率を引き下げるとの観測も強まる状況だ。また、中国株の注目度が高まるとの期待もある。MSCIが5日(日本時間6日)、四半期ごとの指数見直しによるMSCIグローバルスタンダード指数の構成銘柄に、中国企業26社を新規採用し、20社を除外したことを明らかにした。差し引きで増加するのはおよそ2年ぶりとなる。新規採用されたうち、香港上場する主要銘柄の前日取引では、華虹半導体(ファホンセミコンダクター:1347/HK)が9.1%高、江西カン鋒リ業(ガンフェン・リチウム:1772/HK)が6.1%高、江西金力永磁科技(JLマグ・レアアース:6680/HK)が3.9%高と上げが目立った。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。中国の経済動向や企業業績を見極めたいとするスタンスが強まっているほか、昨夜の米株安が投資家心理を冷やしそうだ。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。






