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2025/11/04 08:55 NEW!!

神経質な値動きか、中国の経済動向が気がかり 無料記事

◆4日の香港マーケットは、中国景気動向をにらみながら神経質な値動きか。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境は安定的。米利下げサイクルの期待感がやや後退したことはマイナスだが、米中貿易摩擦が緩和しつつあることがポジティブ材料だ。また、人工知能(AI)産業の拡大が続くとの見方も強まっている。米マイクロソフトは3日、アラブ首長国連邦(UAE)に対するAIデータセンターなどの巨額投資を巡り、米エヌビディアのAI半導体を輸出することを米商務省が許可したと明らかにした。
 3日の米株市場では、前週に史上最高値を付けた主要指標のNYダウが前営業日比0.5%安と反落したが、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.5%高と続伸した。個別では、エヌビディアが2.2%上昇し、時価総額の5兆米ドル台乗せを再び達成。このほか、チャットGPTのオープンAIにクラウドサービスを提供することなどを手がかりにアマゾンが4.0%高と続伸し、連日で上場来高値を更新している。
 中国銘柄もしっかり。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は0.3%高と続伸している。主要な香港との重複上場銘柄では、騰訊音楽娯楽集団(テンセント・ミュージック:TME/NYSE、1698/HK)が3.7%高、蔚来汽車(NIO/NYSE、9866/HK)が2.3%高、中通快逓(開曼)(ZTO/NYSE、2057/HK)が1.2%高と上げが目立った。
 内部環境は好悪材料が入り混じる。中国景気の先行き不透明感と中国経済対策の期待感が綱引きとなる状況だ。10月31日に国家統計局が公表した10月の製造業PMIは49.0と市場予想(49.6)に届かず、景況判断の境目となる50を7カ月連続で下回っている。また、3日に発表された民間集計のRatingDog中国製造業業PMIは50.6と、予想(50.7)以上に前月(51.2)から低下した。一方、中国当局は今年の経済成長率目標「5.0%前後」達成のため、景気対策を強化するとの観測が広まっている。市場関係者の間からは、年内に政策金利や預金準備率が引き下げられるとの声も聞かれた。
 なお中国では今週も10月経済指標の公表が相次ぐ。あす5日は民間が集計するRatingDog中国サービス業PMI、7日は同月の貿易統計、9日は物価統計などだ。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として神経質な値動きか。米ハイテク株高が中国株マーケットに波及する可能性もあるが、中国の経済動向を見極めたいとするスタンスが上値を抑えそうだ。


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