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2019/06/12 13:23

香港前場:ハンセン1.6%安で5日ぶり反落、上海総合は0.6%下落 無料記事

 12日前場の香港マーケットは値下がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比440.82ポイント(1.59%)安の27348.52ポイントと5日ぶり、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が121.40ポイント(1.14%)安の10498.73ポイントと3日ぶりに反落した。半日の売買代金は412億200万香港ドルとなっている(11日前場は486億9600万香港ドル)。
 香港域内の政治混乱が逆風。中国本土への容疑者引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改正案の審議が12日に再開されるなか、大規模な反対デモが始まっている。デモ参加者は香港中心部の幹線道道路を占拠する状況だ。「香港で不動産投資する高銀金融(530/HK)は、社会的混乱を懸念して啓徳空港の跡地開発を断念した」と伝えられるなど、経済的な悪影響もみられている。また、トランプ米大統領は、香港の条例改正案に「重大な懸念」を表明。中国側は、「これは内政問題だ」と反発している。
 米中貿易問題の警戒感も改めて意識された。中国外交部は11日、「米国が貿易摩擦を激化させる動きに出れば、中国は断固として対応する」と述べている。トランプ米大統領はこれに先立つ10日、20カ国・地域(G20)首脳会合(大阪サミット)で習近平国家主席が会談に応じなかった場合、新たな対中関税「第4弾」を直ちに発動すると警告した。なお、朝方公表された5月の中国物価統計は、事前予想通りで着地している。
 ハンセン指数の構成銘柄では、光学部品メーカーの舜宇光学科技(2382/HK)が6.5%安、小型電子部品メーカー大手の瑞声科技HD(AACテクノロジーズ・ホールディングス:2018/HK)が4.7%安、香港不動産デベロッパー大手の新世界発展(17/HK)が3.9%安と下げが目立った。舜宇光学科技に関しては、製品販売の減速がマイナス。5月のスマートフォン(スマホ)用レンズ出荷数は前年同月比で38.7%増加したものの、伸び率は前月(59.9%増)から減速した。
 業種別では、香港地盤の不動産や金融が安い。上記した新世界発展のほか、九龍倉置業地産投資(1997/HK)が3.9%、新鴻基地産発展(16/HK)が3.1%、信和置業(83/HK)と申万宏源香港(218/HK)がそろって2.6%、中銀香港(2388/HK)が2.1%、恒生銀行(ハンセン銀行:11/HK)が1.7%ずつ下落した。
 自動車セクターもさえない。上述した吉利汽車に加え、長城汽車(2333/HK)が3.1%安、北京汽車(1958/HK)と比亜迪(BYD:1211/HK)がそろって2.7%安、東風汽車集団(489/HK)が1.7%安で引けた。販売低迷を不安視。全国乗用車市場信息聯席会(乗聯会)が11日報告した月次統計では、新車販売が12カ月連続で前年割れだった。
 半面、希土類製品・耐火材大手の中国稀土HD(チャイナ・レア・アース:769/HK)は8.3%高と急伸。「レアアース輸出規制」の準備が進んでいると伝わるなか、戦略物資としての価値が再認識された。
 一方、本土マーケットは3日ぶり反落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.57%安の2909.07ポイントで前場の取引を終えた。前日に急伸した保険・証券株が下げを主導。不動産株、海運・港湾株、インフラ関連株、自動車株、消費関連株、ハイテク株、医薬品株なども売られた。半面、レアアース・非鉄株は物色されている。


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