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2018/08/08 13:24

香港前場:ハンセン0.4%高で3日続伸、上海総合は0.3%下落 無料記事

 8日の香港マーケットは値上がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比119.96ポイント(0.42%)高の28368.84ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が54.30ポイント(0.50%)高の10920.40ポイントとそろって3日続伸した。半日の売買代金は511億9500万香港ドルとなっている(7日前場の売買代金は435億8600万香港ドル)。
 業績期待の買いが継続する流れ。これまでに報告された香港上場企業の決算では、増益や増配を明らかにする企業が多数派を占めている。また、中国人民銀行(中央銀行)は朝方、人民元レートの対米ドル基準値を連日で元高方向に設定。「人民銀は過度な元安進行を望まない」との見方が改めて強まったことも支援材料だ。ただ、米中貿易摩擦に対する警戒感の強まりはマイナス。主要な株価指標は、安く推移する場面もみられた。米通商代表部(USTR)は7日、中国の知的財産権侵害に対抗する制裁関税第2弾(中国からの輸入品160億米ドル相当に25%の追加関税)を23日に発動すると発表。これに対し中国側は、同規模の対抗措置を打ち出すと予告している。
 なお、取引時間中に公表された7月の中国貿易統計では、輸出と輸入が前年同月比で予想以上に伸びたことが分かった。
 業種別では、天然ガスや石油などエネルギー関連の上げが目立つ。新奥能源HD(ENNエナジー:2688/HK)が5.3%、中国燃気HD(中国ガス:384/HK)が3.3%、中国石油天然気(ペトロチャイナ:857/HK)が2.7%、中国海洋石油(CNOOC:883/HK)が2.0%、中海油田服務(2883/HK)が10.5%ずつ値を上げた。天然ガス株に関しては、上半期のガス販売量が堅調に伸びたとして、大手ブローカーが目標株価などを引き上げたことが好感されている。石油株については、原油相場の先高観が強まったことが追い風。主要産油国イラクに対し米国が制裁を再開したことを受け、原油供給が細るとみられている。
 ゼネコンや建材などインフラ関連セクターもしっかり。中国中鉄(390/HK)が2.1%高、中国鉄建(1186/HK)が1.4%高、中国建材(3323/HK)が3.5%高、華潤水泥HD(1313/HK)が3.3%高、安徽海螺セメント(安徽コンチセメント:914/HK)が2.2%高とそろって続伸した。18年の鉄道投資計画が上方修正される――と伝えられたことが引き続き手がかり。報道によれば、中国鉄路総公司が年初に定めた目標7320億人民元を上回り、17年実績の8000億人民元を超える見込みだ。
 中国の発電セクターも物色される。華潤電力HD(836/HK)が3.0%高、華電国際電力(1071/HK)が2.0%高、華能国際電力(902/HK)が1.6%高、中国電力国際発展(2380/HK)が1.1%高、大唐国際発電(991/HK)が0.9%高と上昇した。
 一方、本土マーケットは反落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.32%安の2770.49ポイントで前場の取引を終えた。金融株がさえない。ゼネコン株、消費関連株、自動車株、不動産株、医薬株なども売られた。半面、資源・素材株、発電株などは買われている。



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