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2018/07/16 17:33

香港大引:ハンセン0.1%高と3日続伸、指標下振れで不動産株はさえない 無料記事

 週明け16日の香港マーケットはまちまち。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比14.22ポイント(0.05%)高の28539.66ポイントと小幅ながら3日続伸する半面、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)は42.19ポイント(0.39%)安の10704.26ポイントと続落した。売買代金は700億6200万香港ドルに縮小(13日の売買代金は844億5700万香港ドル)。今年最低を記録した。
 海外株高が支え。中国景気の先行き不安で売られたものの、取引時間中に始まった欧州市場の株高や、グローベックスのNYダウ先物高をにらみながら、ハンセン指数は引けにかけてプラスに転じている(本土株指数は下げ幅縮小)。取引時間中に公表された中国の第2四半期(4〜6月期)GDP成長率と6月・各種経済指標は、総じて弱い内容だった。GDP成長率は6.7%となり、予想通り前四半期(6.8%)から減速。小売売上高は予想をやや上回ったものの、鉱工業生産額は大幅に下振れした。
 業種別では、ハイテク関連株がしっかり。通信機器メーカーの中興通訊(ZTE:763/HK)が16.4%高と急伸している。米商務省が現地時間13日、自国企業からの部品調達を7年間禁じる制裁措置を正式に解除したことが好感された。サプライ・チェーンの回復が期待されるなか、ZTE向け部品サプライヤーの摩比発展(MOBIディベロップメント:947/HK)も2.2%高と値上がりしている。そのほか、ICファウンドリー中国大手の華虹半導体(ファホンセミコンダクター:1347/HK)が3.3%高、同業の上海先進半導体製造(3355/HK)が1.3%高、小型電子部品メーカー大手の瑞声科技HD(AACテクノロジーズ・ホールディングス:2018/HK)が1.7%高で引けた。
 半面、本土系不動産セクターは安い。首創置業(2868/HK)が3.2%、中国恒大集団(3333/HK)が3.0%、碧桂園HD(2007/HK)が2.2%、中国金茂HD(817/HK)が1.8%ずつ下落した。1〜6月の不動産開発投資が前年同月比で9.7%増にとどまり、伸び率が1〜5月から鈍化したことが嫌気されている。
 人民元安がデメリットとなる紙・パルプ、空運セクターも下げが目立つ。理文造紙(2314/HK)が6.1%安、玖龍紙業(2689/HK)が5.7%安、中国南方航空(1055/HK)が2.5%安、中国国際航空(753/HK)が1.4%安、中国東方航空(670/HK)が1.2%安と売られた。紙製品各社は原料を輸入し、空運各社は米ドル建て債務の比率が高い。業績に対する悪影響が不安視される状況だ。この日の上海外国為替市場では、元レートが依然として約11カ月ぶりの元安水準で推移している。
 一方、本土マーケットは続落。主要指標の上海総合指数は、前営業日比0.61%安の2814.04ポイントで取引を終えた。時価総額上位の金融株が下げを主導する。資源・素材株、自動車株、空運株、インフラ関連株なども売られた。半面、消費関連株はしっかり。第5世代(5G)通信機器や光ケーブルなどネットワーク関連株も物色された。


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