2021/10/04 17:44
香港大引:ハンセン2.2%安で続落、旅行関連は逆行高
連休明け4日の香港マーケットは、主要60銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比539.27ポイント(2.19%)安の24036.37ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が205.19ポイント(2.35%)安の8521.19ポイントとそろって続落した(ハンセン指数は昨年10月以来の安値)。売買代金は1132億9220万香港ドルとなっている(9月30日は1151億2310万香港ドル)。
前営業日の軟調地合いを継ぐ流れ。電力不足を背景に、中国経済の鈍化懸念が依然としてくすぶっている。中国不動産業を巡る不透明感も重し。デフォルト(債務不履行)リスクに直面する中国恒大集団(3333/HK)の取引は4日、傘下で不動産管理事業の恒大物業集団(6666/HK)と共に一時停止された。投資家のリスク回避スタンスが強まる中、指数は徐々に下げ幅を広げている。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、バイオ医薬品開発受託会社の薬明生物技術(ウーシー・バイオロジクス:2269/HK)が8.6%安、ガラス生産の信義玻璃HD(信義ガラス:868/HK)が8.2%安、バイオ製薬・中医薬メーカーの中国生物製薬(1177/HK)が5.1%安と下げが目立った。薬明生物技術など医薬品株は、ワクチン関連株の大幅下落が響いている。新型コロナウイルスワクチンを自社開発した康希諾生物(カンシノ・バイオロジクス:6185/HK)が22.9%安、独ビオンテックとワクチンで提携する上海復星医薬集団(2196/HK)が19.1%安。米製薬大手が開発したコロナ治療の飲み薬が開発進展したと伝わる中、ワクチン需要が低下するとの見方が広がっている。
中国発電セクターも安い。華潤電力HD(836/HK)が8.2%、中国電力国際発展(2380/HK)が7.3%、華能国際電力(902/HK)が7.2%、華電国際電力(1071/HK)が5.6%ずつ下落した。国有資産監督管理委員会のカク鵬主任は1日、中央企業に対し、「電力供給に全力を尽くせ」と要求。外電が報じたところによれば、石炭不足の中、大手発電企業は低品質の燃料炭を緊急輸入し対応にあたっているという。
天然ガス関連の銘柄も急落。新奥能源HD(ENNエナジー:2688/HK)と中国燃気HD(中国ガス:384/HK)がそろって7.6%安、華潤燃気HD(華潤ガス:1193/HK)が7.5%安、昆侖能源(クンルン・エナジー:135/HK)が7.1%安でと値を下げた。
半面、エアラインや代理店など旅行関連セクターは高い。中国東方航空(670/HK)が5.4%、国泰航空(キャセイ航空:293/HK)が5.3%、中国国際航空(753/HK)が5.2%、中国南方航空(1055/HK)が4.5%、縦横遊HD(WWPKGホールディングス:8069/HK)が6.5%、香港中旅国際投資(チャイナ・トラベル:308/HK)が3.5%、同程芸龍HD(トンチェン・イーロン・ホールディングス:780/HK)が2.7%、携程集団(トリップドットコム・グループ:9961/HK)が2.1%ずつ上昇した。旅行需要の回復が期待される。国慶節連休中の中国本土では、初日の国内旅行者数が堅調だったと伝わった。
中国不動産セクターの一角もしっかり。中国金茂HD(817/HK)が2.9%高、合景泰富集団HD(1813/HK)が1.4%高、中国海外発展(688/HK)が0.9%高で引けた。中国恒大の取引一時停止を嫌気し不動産株は軒並み安くスタートしたものの、徐々に買い戻しが入っている。中国メディアは消息筋情報として、「不動産デベロッパーの合生創展集団(754/HK)が近く、中国恒大傘下の恒大物業集団株51%前後を取得する」と伝えた。合生創展集団も4日の売買を一時停止している。
そのほか、パソコン(PC)世界大手の聯想集団(レノボ・グループ:992/HK)が9.8%高と急伸。上海証券取引所は9月30日付で、ハイテク・スタートアップ企業向け市場「科創板」への上場申請を受理したとウエブサイトで発表した。
一方、本土マーケットは国慶節連休で休場となっている(7日まで休場。8日に取引再開)。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。
前営業日の軟調地合いを継ぐ流れ。電力不足を背景に、中国経済の鈍化懸念が依然としてくすぶっている。中国不動産業を巡る不透明感も重し。デフォルト(債務不履行)リスクに直面する中国恒大集団(3333/HK)の取引は4日、傘下で不動産管理事業の恒大物業集団(6666/HK)と共に一時停止された。投資家のリスク回避スタンスが強まる中、指数は徐々に下げ幅を広げている。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、バイオ医薬品開発受託会社の薬明生物技術(ウーシー・バイオロジクス:2269/HK)が8.6%安、ガラス生産の信義玻璃HD(信義ガラス:868/HK)が8.2%安、バイオ製薬・中医薬メーカーの中国生物製薬(1177/HK)が5.1%安と下げが目立った。薬明生物技術など医薬品株は、ワクチン関連株の大幅下落が響いている。新型コロナウイルスワクチンを自社開発した康希諾生物(カンシノ・バイオロジクス:6185/HK)が22.9%安、独ビオンテックとワクチンで提携する上海復星医薬集団(2196/HK)が19.1%安。米製薬大手が開発したコロナ治療の飲み薬が開発進展したと伝わる中、ワクチン需要が低下するとの見方が広がっている。
中国発電セクターも安い。華潤電力HD(836/HK)が8.2%、中国電力国際発展(2380/HK)が7.3%、華能国際電力(902/HK)が7.2%、華電国際電力(1071/HK)が5.6%ずつ下落した。国有資産監督管理委員会のカク鵬主任は1日、中央企業に対し、「電力供給に全力を尽くせ」と要求。外電が報じたところによれば、石炭不足の中、大手発電企業は低品質の燃料炭を緊急輸入し対応にあたっているという。
天然ガス関連の銘柄も急落。新奥能源HD(ENNエナジー:2688/HK)と中国燃気HD(中国ガス:384/HK)がそろって7.6%安、華潤燃気HD(華潤ガス:1193/HK)が7.5%安、昆侖能源(クンルン・エナジー:135/HK)が7.1%安でと値を下げた。
半面、エアラインや代理店など旅行関連セクターは高い。中国東方航空(670/HK)が5.4%、国泰航空(キャセイ航空:293/HK)が5.3%、中国国際航空(753/HK)が5.2%、中国南方航空(1055/HK)が4.5%、縦横遊HD(WWPKGホールディングス:8069/HK)が6.5%、香港中旅国際投資(チャイナ・トラベル:308/HK)が3.5%、同程芸龍HD(トンチェン・イーロン・ホールディングス:780/HK)が2.7%、携程集団(トリップドットコム・グループ:9961/HK)が2.1%ずつ上昇した。旅行需要の回復が期待される。国慶節連休中の中国本土では、初日の国内旅行者数が堅調だったと伝わった。
中国不動産セクターの一角もしっかり。中国金茂HD(817/HK)が2.9%高、合景泰富集団HD(1813/HK)が1.4%高、中国海外発展(688/HK)が0.9%高で引けた。中国恒大の取引一時停止を嫌気し不動産株は軒並み安くスタートしたものの、徐々に買い戻しが入っている。中国メディアは消息筋情報として、「不動産デベロッパーの合生創展集団(754/HK)が近く、中国恒大傘下の恒大物業集団株51%前後を取得する」と伝えた。合生創展集団も4日の売買を一時停止している。
そのほか、パソコン(PC)世界大手の聯想集団(レノボ・グループ:992/HK)が9.8%高と急伸。上海証券取引所は9月30日付で、ハイテク・スタートアップ企業向け市場「科創板」への上場申請を受理したとウエブサイトで発表した。
一方、本土マーケットは国慶節連休で休場となっている(7日まで休場。8日に取引再開)。
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