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2021/12/30 17:31

香港大引:ハンセン0.1%高で反発、IPOセンスタイムは7.3%上昇 無料記事

 30日の香港マーケットは、主要64銘柄で構成されるハンセン指数が前日比25.47ポイント(0.11%)高の23112.01ポイントと反発する一方、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)は2.32ポイント(0.03%)安の8096.44ポイントと小幅ながら5日続落した。売買代金は691億8800万香港ドルと低水準が続いている(29日は今年最低の629億4540万香港ドル)。
 中国経済対策の期待感が相場を支える流れ。国内景気の鈍化懸念がくすぶる中、当局は経済対策を強めるとの見方が根強い状況だ。国営メディアは29日、中国政府は一部の個人所得税減税を2年間延長する――と報じている。中国人民銀行(中央銀行)の資金供給スタンスもプラス。人民銀は30日、リバースレポ取引を通じ、満期到来分との差引で資金900億人民元を市場供給した。人民銀はこのところ、連日で厚めの資金供給を実施している。ただ、全体として上値は重い。あす31日公表される12月の中国製造業PMI(国家統計局などが集計)が気がかり材料として意識されたほか、香港市場は31日が半日立会ということもあり、様子見ムードも漂った。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、バイオ医薬品開発受託会社の薬明生物技術(ウーシー・バイオロジクス:2269/HK)が2.9%高、火鍋チェーン最大手の海底撈国際HD(ハイディラオ・インターナショナル・ホールディング:6862/HK)が2.8%高、中国スポーツ用品大手の李寧(リーニン:2331/HK)が1.9%高と上げが目立った。
 セクター別では、重電や発電の一角が高い。東方電気(1072/HK)が4.0%、上海電気集団(2727/HK)が2.5%、華電国際電力(1071/HK)が1.5%ずつ上昇した。
 医薬品・医療サービスの銘柄群もしっかり。上記した薬明生物技術のほか、医渡科技(2158/HK)が5.5%高、康希諾生物(カンシノ・バイオロジクス:6185/HK)が3.9%高、安健康医療科技(1833/HK)が2.6%高、京東健康(JDヘルス・インターナショナル:6618/HK)が2.3%高で引けた。
 他の個別株動向では、新規株式公開した画像処理ソフト中国最大手の商湯集団(センスタイム・グループ:20/HK)が公募価格比7.3%高と急伸(一時23%高)。2014年設立で人工知能(AI)関連企業の同社は、米財務省が「軍関連企業」リストに追加し、米国人による証券投資を禁じる方針を表明したことなどで上場が延期されていた。
 半面、中国不動産セクターは安い。中国恒大集団(3333/HK)が9.1%、広州富力地産(2777/HK)が5.6%、融創中国HD(1918/HK)が2.1%ずつ下落した。債務問題を巡る不透明感がくすぶっている。複数メディアが30日付で伝えたところによれば、中国恒大集団は28日に米ドル建て社債2本の利払い期日を迎えたが、まだ支払いは行われていないようだ。
 一方、本土マーケットは反発。主要指標の上海総合指数は、前日比0.62%高の3619.19ポイントで取引を終了した。ハイテク株が高い。発電株、医薬品株、食品飲料株、素材株、銀行・証券株なども買われた。仮想空間技術「メタバース」(中国語:元宇宙)関連の銘柄も物色されている。半面、エネルギー関連株は安い。海運株、保険株、不動産株の一角も売られた。


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