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2022/01/05 13:34

香港前場:ハンセン0.9%安で反落、上海総合は0.8%下落 無料記事

 5日前場の香港マーケットは、主要64銘柄で構成されるハンセン指数が前日比197.01ポイント(0.85%)安の23092.83ポイントと反落し、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が107.62ポイント(1.32%)安の8072.54ポイントと3日続落した。売買代金は833億8950万香港ドルにやや拡大している(4日前場は656億6750万香港ドル)。
 ネット企業に対する統制強化の動きが嫌気される流れ。規制当局は4日、アルゴリズム・サービスの提供者に対し、アルゴリズムを利用してネット世論に影響を及ぼすことや、監督・管理を回避することを禁止する方針を表明している。中国国内で新型コロナウイルスが感染拡大する中、当局が行動規制を続けていることもマイナス材料だ。(亜州リサーチ編集部)
 ネット株に売りが先行。ハンセン科技指数は3.5%下落し、他の指数をアンダーパフォームしている。関連する主要な構成銘柄では、美団(メイトゥアン:3690/HK)が9.4%安、ビリビリ(9626/HK)が8.8%安、京東集団(JDドットコム:9618/HK)が6.3%安、騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)が3.5%安などと値を下げている。美団、ビリビリ、京東に関しては、大株主のテンセントが出資比率を下げるとの不安が再燃。テンセントは4日、シンガポール同業シー(SE/NYSE)のクラスA株式1449万株を売却すると発表した。先月には、特別中間配当として、保有する京東集団株式を配当すると公表している。中国当局はネット企業に対する「独占禁止」の取り組みを強化。市場関係者の間では、締め付けをかわす狙いとの見方がある。
 自動車セクターも安い。長城汽車(2333/HK)が8.4%、比亜迪(BYD:1211/HK)が6.8%、吉利汽車HD(175/HK)が5.4%ずつ下落した。自動車産業が多く集まる陝西省西安市では、ロックダウン(都市封鎖)突入からほぼ2週間経過したものの、感染抑制策を緩める気配はみえていない。
 他の個別株動向では、約9カ月ぶりに取引再開した国有資産管理会社(AMC)の中国華融資産管理(2799/HK)が52.9%安と急落した。同社は2020年12月期決算の発表遅延に伴い、21年4月に株式売買を一時停止。その後、8月に同期決算を開示し、1029億299万人民元(約1兆8800億円)の巨額赤字を計上した。
 半面、中国金融セクターはしっかり。中国工商銀行(1398/HK)が2.3%高、中国建設銀行(939/HK)が1.8%高、招商銀行(3968/HK)が1.6%高、中国人寿保険(2628/HK)が1.4%高、中国平安保険(2318/HK)が1.2%高で前場取引を終えた。
 そのほか、通信キャリア最大手の中国移動(チャイナ・モバイル:941/HK)が5.5%高。最大983億香港ドル(約1兆4650億円)に上る自社株買いの計画が支援材料となった。また、同社株(600941/SH)が上海証券取引所にこの日重複上場し、堅調なスタートを切ったことも好感されている(前場は公開価格比3.8%高で終了)。
 一方、本土マーケットは続落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.81%安の3602.74ポイントで前場の取引を終了した。ハイテク株が安い。公益株、資源・素材株、医薬品株、消費関連株、インフラ関連株なども売られた。半面、不動産株は高い。銀行・保険株、運輸株も買われた。



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