12日の香港マーケットは、主要64銘柄で構成されるハンセン指数が前日比663.11ポイント（2.79％）高の24402.17ポイントと反発し、本土企業株で構成される中国本土株指数（旧H株指数）が243.84ポイント（2.91％）高の8612.85ポイントと5日続伸した。売買代金は1536億250万香港ドルにやや拡大している（11日は1296億2410万香港ドル）。
　インフレ高進の警戒感が薄れ、投資家心理が上向く流れ。朝方公表された昨年12月の中国物価統計では、消費者物価指数（CPI）と生産者物価指数（PPI）の上昇率が予想以上にそろって鈍化したことが明らかにされた。物価高の圧力が弱まる中、金融当局が緩和的な政策を継続しやすくなるとの見方が広がっている。また、米国で一段の金融引き締めに対する懸念が後退し、米10年債利回りの上昇一服も好感された。(亜州リサーチ編集部)
　ネット株が全体相場をけん引。ハンセン科技指数は5.0％高と急反発し、他の指数をアウトパフォームした。関連する主要な構成銘柄では、京東集団（JDドットコム：9618/HK）が11.0％高、美団（メイトゥアン：3690/HK）が9.1％高、阿里巴巴集団HD（アリババ・グループ・ホールディング：9988/HK）が5.9％高、騰訊HD（テンセント・ホールディングス：700/HK）が4.5％高と値を上げている。
　中国自動車セクターも高い。小鵬汽車（9868/HK）が9.7％、広州汽車集団（2238/HK）が9.3％、比亜迪（BYD：1211/HK）が7.6％、長城汽車（2333/HK）が6.0％ずつ上昇した。広州汽車集団については、通期の11〜27％増益見通しが好感されている。
　非鉄関連セクターもしっかり。新疆新キン鉱業（3833/HK）が8.0％高、江西カン鋒リ業（ガンフェン・リチウム：1772/HK）が5.4％高、洛陽モリブデン集団（3993/HK）が5.3％高、江西銅業（358/HK）が4.3％高で引けた。
　他の個別株動向では、石油生産大手の中国海洋石油（CNOOC：883/HK）が6.8％高。株主還元策が材料視される。同社は2022〜24年の配当性向が40％を下回らないことを公約した上で、2021年通期に上場20周年の記念配当を実施する計画を打ち出した。
　半面、中国不動産セクターは安い。合景泰富集団HD（1813/HK）が5.0％、雅居楽集団HD（3383/HK）が4.1％、世茂集団HD（813/HK）が3.6％、中国金茂HD（817/HK）が2.5％ずつ下落した。
　一方、本土マーケットは反発。主要指標の上海総合指数は、前日比0.84％高の3597.43ポイントで取引を終了した。消費関連株が高い。ITハイテク関連株、資源・素材株、公益株、医薬品株、メディア関連株なども買われた。半面、不動産株は安い。銀行・保険株も売られた。



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